記事一覧

トップ

通勤時間が8倍になりました

会社が地元北九州市から福岡市に引っ越しました。
いままでの通勤時間は15分程度でしたが、これからは2時間通勤です。心が折れそうですが、iPodとSony Readerを友にして何とか頑張ってみます。


プールの底に眠る(白河三兎)

白河作品二つ目。
以前読んだモノは、「私を知らないで」というミステリアスな少女キヨコこと新藤ひかり(中学生)と彼女に出会った転校生の少年を描いたミステリー仕立ての青春小説でした。
この作品は、作者様の長編第一作ということで、「私を知らないで」の原型と思しき特徴が見られます。
主人公がやはり少年(高校生)で、彼の一人称による語り口で物語が綴られているという点。
「セミ」というミステリアスな少女がヒロインであるという点。
「セミ」の正体については、ミステリーとしては割と定番とも言えるオチではありましたが、作品の文学性という点ではこの作品の方が強い気がします。
言い換えれば、まさにデビュー作らしい若さと言うべきか。

心を殺したい、そう願った少女が生み出したパーソナリティが「セミ」であり、彼女の「死」が一人の少女の再生となるというオチは実に逆説的。
そして、物語全体の着地点としては、「私を知らないで」とはある意味真逆のオチ。
私は、ハッピーエンドだと思っております。

それにしても・・・・・・「セミ」の年齢設定が「12才」というのはどうなのかな?とそれだけが引っかかった点。
早熟というのは、いささか老成しすぎている気もしますが・・・・・・まぁ、まんまガキんちょでは主人公も彼女に惚れてくれないか(笑)
女の子というのは、男の我々が思うよりもずっと成熟するのは早いのですが、内面的にはともかく外見的には主人公の高校生の年代の少年達からすれば「射程圏外」の子供じゃないのかな?と。
まぁ、そういった一般常識をぶっ飛ばすほどの美しさを「セミ」が持っていたのだと解釈するしかあるまい。

大人となった主人公が、自分の子供の名前候補として、「ひかり」を考えていたという終盤では、作者様の後の作品を知っているだけにニヤリと出来たのは、ファンとしての役得ではあった。


空蝉 ヒカルが地球にいたころ7(野村美月)

ヒカルシリーズも遂に7巻。
ラノベとしては標準的な巻数かもしれないが、さすがに長い。
つまりそれだけ支持者が多いのでしょう。

源氏物語という古典をベースに紡がれた物語は、いわゆる典型的なラノベのラブコメとはちょっと違った作風。

空蝉は原点では人妻だったわけだが、今作の空蝉=蝉ヶ谷空という少女は、天使の子を宿した女性。
毎回、幽霊となったヒカルの未練を晴らすために、人呼んでヤンキーキング(外見だけで中身は真面目な好少年)の是光が奔走するシリーズ。
今回は、妊娠した空がメインヒロインということで、全体を通して「母」がテーマ。
そして、この巻では遂に幼い日に是光を置いて家を出た彼の母親が登場。
主人公是光にとっては、空を通じ、さらには現実に母親と出会うことにより、「母」という存在について悩まされるいわゆるトラウマ回。
いつもと違い、へこたれた彼を、いままで彼に救われたヒロイン達が励ますというやや変則的なストーリー展開。

結果として、是光はトラウマを乗り越え、さらには空を救い出すことに成功するが、シリーズを通して彼が初めて泣きながらも笑顔を見せた相手というのが、自分を捨てた母親だったというのは、ストーリーとしてはまっとうな展開だったと思うが読んでいる側としては辛くもある。

これは私が「男」だからだろう。
マザコンと言われるだろうが、どうにも「母親」というものにある種の幻想を抱いてしまう。
勿論、世の母親である女性の方々が、母である前に一人の女性として、様々な葛藤を抱き、弱さ脆さも抱えているということは理解している積もり。
しかし、その認識とても、ある程度年齢を重ねているからこそ持てる認識で、主人公是光のような10代半ばの少年にそれを求めるのは少々酷な気もするのだ。
ストーリー上としては、彼の理解と笑顔によって、母親は確かに救われた部分もあったのだろうが・・・・・・ああいう展開は多分男性の若い作家さんでは無理な仕事かもしれない。

ただ、恋愛モノとして見れば、是光が母親と対峙した場面で、彼の手を握り支えてくれた相手が第一作のヒロインだった葵というのは象徴的・・・・・・というか、多分普通の恋愛モノであるならば、その描写を以て正ヒロインは葵ということになるのだろうが、このお話ではどう動くか?
他の面々が黙っているとは思えない(笑)
特に今作より、デレデレモードに突入した朝ちゃんとか、作者様が(多分)お気に入りで、是光に一番近いポジションにいると思われるパープルさんとか(笑)

で、次は「花散里」か・・・・・・
いままでは幽霊となったヒカルの未練の対象となったヒロイン達が題材だったが、次巻ではいよいよヒカルとは何の因縁も持たない少女がメインとなるのか。
お話の主軸は、いよいよヒカルから是光に移ると言うことなのかな?

四畳半神話体系(森見登美彦)←電子書籍

何というダメ青春小説(大笑)
男汁にまみれた四畳半で「私」は夢を見る。

人間、あの時こうすれば・・・・・・と様々な局面での「選択」を悔いるモノ。
そして、そうした「選択」と「決断」は、SFのテーマでもある。
ということで、これは文学性の高い、SF小説でもあるのだ・・・・・・ダメSF小説と名付けよう(笑)

舞台は京都・・・・・・だが、私、京都の地理には明るくないのだなorz
こういう小説を読むと、ちょっと行ってみたくなるな・・・・・・お金はないけど。

そして、京都の大学に籍を置く「私」とその周囲の人々は、皆本当に阿呆なことに情熱を傾けている。
阿呆な情熱・・・・・・青春って、そういうものでないかい?

先に「選択」と「決断」というテーマをあげたが、この主人公、いかなる選択をしても、ひたすらダメな青春を歩んでいく。
もう、本当にダメダメだ(w
でも、そういう愚かしさというより阿呆くささこそば、この物語の醍醐味。
そして、些細なことに幸せを感じてしまう。

「極楽」とは

夜中にラーメンを食べに行けること

この一節にはぐっときた!!・・・・・・私自身も大概ダメ人間だな(笑)
それでも、いかなる選択肢においても主人公は結局黒髪の乙女と恋仲になることに成功するのだから・・・・・・爆発しろ(笑)
まぁ、黒髪の乙女=明石さんも大概くせ者だけどな。

そして、全編を通して、「私」の青春を全力を以てダメにすることに奔走する小津。
彼こそは、作中で最も「私」を理解し、愛してくれている存在だと思うのだが(実に迷惑きわまりない愛だがw)「彼」は本当に人間なのか!?

このお話、リンクのつながりのある某氏が激しく絶賛していたのだが、読んでみてなるほど!!と納得した傑作でありました。

仮面ライダーウィザード 第33話 「金で買えないモノ」

今週のウィザード!!

晴人「いままで一番手強かったぜ」
ベルゼバブさん「」
フェニックスさん「」
レギオンさん「」

今週はボギー篇後編。
ツッチーをはじめとしたゲート達、ファントムの脅威から逃れるため東京を脱出した筈・・・・・・が!!
降って湧いたような幸運が続き、東京から出る気がなくなっていたという。
その中でも、オタク風の青年はまだしもツッチーときたら・・・・・・
お金は大事だが、それに振り回されてはいけませんという世のお子様達への教育的メッセージですね。
しかし、君たちの変身ベルトやウィザードリング、アックスカリバ-を始めとしたオモチャの数々はお金がないと手に入らないぞ(何が言いたい)

一度はお金に目がくらんだツッチーから絶交宣言をくらったマヨネーズ。
しかし、彼からもらったピックを見て立ち直ったマヨネーズは幸運から一転して事故に見舞われたツッチーを助け、彼に取り憑いたボギーを倒します。
改心したツッチーと仲直りしますが・・・・・・これでさらにもう一度同じことをやらかしてくれたら(笑)
しかし、ツッチー役の人、いい役者さんだ。

一方、今週のもう一つのハイライトは、晴人=ウィザード対ボギー。
運不運を制御するボギーとの対戦はいままでとはかなり違う・・・・・・コメディ回的に(笑)

バナナの皮でコケる
ショッピングカートに運ばれる
ゴミバケツに頭から突っ込む
犬のウンコを踏む

これ、仮面ライダーだよね?

バナナの皮でコケたり犬のウンコを踏んだことのある仮面ライダーは前代未聞だろうな。
ついでに言えば、ウンコを踏んだ足でのライダーキックを食らった怪人も初めてだろうな(笑)

この回では、ドラゴンスタイルがうまく機能していましたね。
最強スタイル、インフィニティスタイルが登場したことで、ドラゴンスタイルがどうなるかと思っていましたが、今回はあの分身能力をうまくストーリーに活かしていました。この辺りは脚本の妙。
そしてフィニッシュは、四体同時のキックストライク!!
久々のライダーキックです。
ウンコ踏んだ後で、だけど(笑)

さて、来週はまたグレムリンが何かやらかすようですね。
晴人サイドにつくようですが、悪の幹部は寝返ったふりをするのはかなり前例がありますからね。魔神提督とか(古)

仮面ライダーウィザード 第32話「危険なアルバイト」

今週のウィザード!!

今回のゲートは、マヨネーズの高校時代の親友。
何というか・・・・・・この二人がもし同じクラスだったとしたら、私は担任の教師に同情せざるを得ない・・・・・・

例によって、テント&バーベキュー暮らしのマヨネーズ。
この人が食べているときは、いつも鍋かバーベキューだな(笑)あの食生活は逆に金がかかって仕方ないんじゃないか?

サラダ油の缶をコンロの上に落としてさあ大変、というところに現れたのは、マヨネーズ同様実にKYな空気を漂わせている男=土谷ことツッチー。

かつて、考古学の道に進むか否か迷っていたマヨネーズの背中を押した憎い奴(笑)
そのツッチー、ギターコレクションという修羅の道にはまり込み、住まいも捨てて・・・・・・って、楽器類を保管するには空調を含めたそれなりの設備が必要なんじゃないか?と思うが、まぁその日暮らしのご様子。
その彼が飛びついたのは、日当100万円のお仕事。

そして、その謎のお仕事の背後には、新体制となったファントムご一同が。

新体制、それは、ソラ=グレムリンがワイズマンの意思代行者として指揮を執り、ミサ=メデューサにパワハラを行う素敵システム。
メデューサ姐さんの絶望具合が半端ない(爆)・・・・・・いいぞ、もっとやれ!!

日当100万を餌に人間達を大勢おびき出し、その中からゲートを探し出そうというものです。

いままでのミサシステム(仮称)が、ゲート一人一人を丁寧にリサーチして絶望の糸口を探すものだとしたら、今回のソラシステム(仮称)は大量のゲートを力ずくで一度に大勢絶望させようというもの。
いってみれば、一本釣りから撒き餌&地引き網方式。

その新体制の実行者は、笠原さんことボギー・・・・・・あ、サラセニアンかサボテクロンかと思ったら違ったのね(昭和ライダー脳)
ボギーって知らなかったのですが、イギリスの妖怪(?)なんですね。
さすがにネタがマイナー指向になってきているぞ(笑)どうせなら、ア・バオアクーとかをだな・・・・・・

その笠原さん、なかなかに強い。
不思議な動きで、ウィザードとビースト、二人の魔法使いを相手に大立ち回りでひけをとりません。
しかし、そこはパワーアップ直後のウィザードとビースト。
最後は、ウィザードの新最強スタイルインフィニティのシャイニングストライクであっさり・・・・・・って、何か出ているし!?

ツッチーは、改心して田舎に帰るようですが、多分、お話はこのまま終わりはしないでしょう(笑)

それにしても、メデューサ姐さんの追い詰められ方が社畜的に半端なくまずいので、彼女が真由ちゃんとの決戦までにファントムを生み出さないか、それだけが心配です。

コミック感想ふたつ

永遠の0(原作:百田 尚樹, 作画:須本 壮一)

原作小説に比べれば、いささか中をはしょった部分は見受けられる。
また、小説には登場しない愛媛の女子大生「海波」が出てきますが、このあたりの萌えキャラ(笑)はコミック版ならではのサービスか。
細かい部分では、宮部久蔵と松乃の夫婦の容貌と主人公の健太郎、慶子の姉弟の容姿が似通っていたところは芸が細かいなと思った(単なる絵柄の問題かもしれないがw)
このお話の肝の部分に当たる戦友達を尋ねて回る旅とその会談の描写は、どうしても駆け足気味なところは否めない。それでも重要な部分はキチンと押さえていたとは思う。この辺りの描写の取捨選択に関して、作画担当の方は苦労しただろうなと思う。

私的なハイライトのひとつは、やはり原作小説でもあった新聞記者高山と元特攻要員の武田との討論。
絵にしてみると、高山のうざさが目に付くな。
というより、小説の感想でも述べたのだが、高山というキャラクターは、我々現代に生きる者達の「傲慢さ」を代表したキャラクターなのだろうと思う。しかし、特攻に関わった人に対して「お前達はテロリストだったんだ」などと言える無神経な人間は・・・・・・本当にいそうだから困る。武田達特攻に関わった者達を「狂信者」というなら、高山は戦後、いや戦後型民主主義の「狂信者」というべきか。ただ、気をつけなくてはいけないのは、本人が狂信者でなくとも、時代の同調圧力というものは、個人に「狂信者的言動」を強いることがままあるのだろうということ。

ところでこれ映画になるそうで、一部キャストが発表されている。これは私個人の埒のない戯言だが、宮部久蔵と佐伯健太郎、宮部松乃と佐伯慶子、はそれぞれ一人二役でも良かったんじゃないか?


終戦のローレライ(原作:福井 晴敏 作画:虎哉 孝征)←電子書籍

原作小説はかなり前に読んでいました。
で、「永遠の0」を読んだ勢いで、映画を見直し、コミック版をDL。
元の小説はかなり長大で、文庫本にして全4巻。
コミック版は全5巻です。

「永遠の0」と比べれば、パウラという少女、そしてローレライシステムというファンタジー的要素があるため、いわゆる「戦記もの」という扱いをするにも「永遠の0」と同系統にするにもためらわれる物語だ。
しかし、共通している要素がある。
それは、ローレライにおいては、戦後篇とでもいうべき終章部分。
終戦~平成に到る物語の中で語られる「生き残ってしまった」者達の苦悩である。
うろ覚えで申し訳ないが、「学者になるほどの頭もなく、政治家になる器もない。世の中を変えることも出来ない。そんな自分が生かされている。こんな自分の為に、皆は死んだのか?」そんな苦悩を抱えながら生き続けながらも、パウラとともに生き、家族を得、帰るべき家を手に入れた折笠行人。その姿は、私に「考え続けるしかない、問い続けるしかない」命題、答えのない命題を突きつけ続けてくれる。かつてローレライで感じたその命題の重さは、「永遠の0」にも感じることが出来た。
私達は、その命題から逃れることは出来ないし、逃れてはならないのだろう。

物語としてのローレライの醍醐味は、勿論映画でもウリとなっている「海戦シーン」だし、パウラとフリッツ(映画には未登場)、折笠達を主軸とした人間模様だろう。しかし、一方でこのパウラと折笠の戦後の物語こそが私にとってはローレライの醍醐味だったりする。

「永遠の0」において宮部久蔵の戦友達が、健太郎と慶子に語ったように、パウラがやよい達に自分達の物語を語る日はあったのだろうか?
個人的にはあったことを願わずにはいられない。

相田マナが突然いなくなったらあの中学は崩壊する

今年のドキドキプリキュアは確かに面白いのだが、主人公を女の子のあこがれの対象となるキャラにしようという試みは一方で「一人の天才に頼る歪な集団」としての中学校という図式を生み出しているような気がする。いや、こんなことを考えるから「大きなお友達」は嫌われるのだろうが(笑)

と恒例のプリキュアねたを無理矢理いれつつ、小説の感想文。
ただし、今週は一冊しか読めていない。
その代わりに密度は濃かったといえるのではないかと。


「永遠の0」を読みました。

何というか、一言でいえば、「人のいないところ」で読んでいて正解だった。
物語の中盤辺りで、目から出る汗を止められず、クライマックスでは号泣一歩手前まで行ってしまったorz
「泣ける」という部分に関しては、今年に入ってから読んだ書籍の中ではナンバーワンだったと言いきれる。

主人公は、佐伯健太郎。
26才の司法試験浪人・・・・・・ニートと言えなくもない(笑)
その彼が、フリーライターの姉の手伝いで、彼ら姉弟の実の祖父、宮部久蔵に関しての調査を開始する。
彼ら佐伯姉弟の祖父とは実は血のつながりはなく、彼らの母は宮部久蔵の妻の連れ子だったのである。
高齢となり、はっきり言えば「死」をまつばかりの年齢となった祖父の戦友達の話を聞いて回る二人は、その回顧録の中から宮部久蔵という男と彼が生きた時代にいた人々の生々しい姿を知ることとなる。
その実像は、およそ勇ましい「帝国軍人」の姿でも「特攻隊員」でもない苦悩する人間達の姿。
時代の生んだ「戦争」という悲劇の中、「絶対に生きて還る」と誓い、天才的な零戦の操縦技能を持ちながら「臆病者」のそしりを受けてまで戦火の中を生き抜いた宮部久蔵。
誰よりも「生」に執着し、それを可能にするだけの技量と才能を持ちながら、最後は特攻作戦で華々しく散った宮部久蔵。
なぜ彼は何よりも彼自身が嫌った「特攻」で死ぬという最後を遂げることになったのか?
それは、姉弟にとっても、同時に読者である我々にとっても物語における最大の謎となるのだが、その謎は戦友達の証言を集め、宮部久蔵の実像が分かるにつれて深まるばかり。
しかし、その謎も鹿島での元通信士への取材により一気にブレークスルー。
謎の回答は、思わぬところ、身近なところに眠っていた。

このミステリーに関する解答が提示される部分、物語におけるクライマックスが見えた時、読者である我々は、そして主人公達は、60年以上昔の宮部久蔵の生き様と現代に生きる自分たちの人生が実は深く繋がっていることを知る。
宮部久蔵は、愛する妻と子の為、優しすぎる心を持ちながら米軍と戦ったが、その「心」は戦後の混乱期の中にあっても、妻子を守り続けていたのだった。
宮部久蔵がなぜ特攻で散ることになったのか、その解答と戦後の妻子の人生を知ることになるクライマックス部分はもう圧倒的と言うほかはない。
このクライマックスにおいて、宮部久蔵享年26才と同じ年齢にある主人公の設定が大きな意味を持ってくる。
戦争は単なる過去ではなく、確実に現代と繋がっているのだ。

そして、この物語で描かれる戦時中の戦闘機乗り達、特攻隊員達の生き様を読むと、当時のことについて現代の我々が語る批判も糾弾もその多くは現代人の傲慢でしかないのではないかと思えてくる。
それを最も強く感じたのは、姉の恋人、新聞記者の高山と、宮部久蔵の教え子で特攻要員だった武田とのやりとりの場面。
物語上では、武田から高山への糾弾ではあるのだが、あの糾弾は現代に生きる私達の「傲慢さ」への糾弾とも思えるのだ。

最後にこの作品を「永遠の0」と並べると怒られそうだし、私も比較対象として適切ではないと思うのだが、問い続けるしかない、考え続けるしかない命題、答えのない命題の重さというものを思い知らせる作品、そしてあの大戦を題材とした作品としてこれを思い出す。

全四巻にして長大な物語であるし、殆どの人は映画版のイメージが強いだろうが、戦後、主人公が自らに問う「なぜ自分が生き残ったのか?」という命題の重さは「永遠の0」における特攻に関わった者達の終戦後の人生にも重なる気がするのだ。
「永遠の0」を読んだ人でまだ未読の人にはお薦めできるのではないかと勝手に思っているが、一方で「一緒にするな」と怒られる可能性が高いことも承知している。

仮面ライダーウィザード 第31話「涙」

今週のウィザード!!

何となく、この物語は晴人が強力な魔法使いとなり、最強の仮面ライダーとなっていく話だと思っていたのだが、どうもメデューサ姐さんが最強の社畜に成長する物語のような気がしてきた今日この頃。
あと、今週より登場した最強フォーム=インフィニティスタイル、あれは晴人とオールドラゴンさんの涙で出来ているらしい。

強力にして凶悪なファントム=レギオン
その活動により、アンダーワールド内のファントム=ウィザードラゴンを破壊(殺)された晴人。
ドラゴンこそは晴人の魔力の源。
それが失われると言うことは、晴人が魔法使いではなくなると言うこと
ということは、仮面ライダーウィザードが終了し、魔法少女ビーストにタイトルが変わる・・・・・・のではなくて、コヨミに魔力補給が出来なく成るということ。
晴人が最後の希望とは、ファントムに狙われた人々にとってだけでなく、まさにコヨミにとってのという意味合いが強い。

傷ついた晴人を置いて姿を消すコヨミ。
一方、無力感を噛みしめる晴人は、先週の回で出会った兄弟と語り合うことにより、「絶望しない心の力」の大切さを再認識。

仮面ライダーウィザードという物語のテーマは「絶望を希望に変える」

やはり、パワーアップ回では、物語の原点回帰に立ち戻るワケですね。
考えてみれば、ビースト=仁藤もまた「ピンチはチャンス」を信条に生きている男。
根っこのテーマは晴人と共通するのだった。

というわけで晴人が変身できない状況下、レギオンを倒す為必死の戦いを続ける仁藤ことマヨネーズ。
しかし、動きを封じられ、その隙にレギオンは傷心のコヨミを追ってサバトで生き残った晴人と彼女が出会った海岸に。
ビーストの戦いぶりを見て、改めて晴人の心(アンダーワールド)を破壊戦と襲い来るレギオン。
無力であっても必死に抗う晴人。

ここの俳優さんの生身アクション、かなり良かったですね。
晴人の中の人、体を張ってます。

その必死の演技により、さらに引き立つ絶望感。
その絶望感の中、コヨミが倒れ、号泣する晴人。
しかし、涙を流しながらも決して絶望しない彼の身に奇跡が起こる。

新しいウィザードリングとともに復活する魔力。それは、ウィザードラゴンの復活であり、同時に新しい力(=インフィニティ)の目覚め。

インフィニティ!!

やたらコールされるインフィニティがうるさい(笑)
しかし、オールドラゴンまでのパワーアップで、4大元素(火水風土)は全て体現されていた。
それを越えるもの、つまり4大元素を越えるもの・・・・・・賢者の石か?
ただ、ファントム側もゲート狩りはやめる様子がないので、ここは「オリハルコン」説をとろう。
ダイヤモンド(金剛石)というとらえ方もあるが。

魔力の復活はウィザードラゴンの進化も促したわけですね。
この事態に白い魔法使いは「面倒なことになった」と困惑気味。

恐らく彼の操真晴人強化改造計画は、オールドラゴンまでで打ち止めだったのでしょう。
つまり、晴人は物語の黒幕の意思を越えた存在になったと!?
魔法使いを越えた魔法使い=賢者ということでしょうか?
いずれ物語の本筋に魔法使いとなった稲森真由が復帰した時、晴人との間にどういうストーリーが展開されることになるのでしょう。
恐らく、真由は白い魔法使いの意思に沿った「進化」をして戻ってくるはずですから。

しかし、インフィニティ派手だw
その姿も戦い方も。
レギオンの空間切断をもはじき返す絶対防御の硬度とクロックアップ(違)
キンタロス顔負けのアックスソードによる斬撃によるダイナミックチョップ(違)
最強過ぎる。

やはり、ウィザードならディケイドにも勝つる!!

あのアックスソードを背中越しに振り回すアクションはかっこうよかったですね♪
スーツは動きにくそうだけど(爆)
あれではライダーキックは厳しいかな・・・・・・

さて最後にどっきり企画(メデューサ姐さん的に)
仲の悪い問題児が上司になってしまった件について・・・・・・

分かる、分かるぞ!!
メデューサ姐さんのストレスも絶望も!!

皆にも分かるだろう!?(社畜的な意味で)

カツ丼がうまそうだったので「はたらく魔王さま」は良アニメの予感w

ステップ(重松清)

何なんだろう?
特にこれという強力なドラマもない。
なのに一気に読ませてしまう・・・・・・これが筆力か!?

妻朋子を亡くした健一。
彼が娘美樹とともに生きていく日々を綴った物語。

語り口は気取らず平易。
起こる出来事も日々の淡々とした積み重ね。
なのにどうしてこうも引きつけられるのか?
ただひとつケチをつけるなら、健一パパもてすぎ。
そして「鬼の村松」こと舅さんがツンデレすぎるwww
鬼の村松とか書いているから、どうしてもウルトラマンのムラマツ隊長(小林昭二)を連想してしまって困った。
あと、最終的に美樹ちゃんの新しいお母さんになる奈々さんは確かにいい女だが、ヤンさんが可愛い。

はたらく魔王さま 7 8 (和ヶ原聡司)

7巻は番外編の短編集。
個人的に「はたらく女子高生」というヒロインの一人佐々木千穂のエピソードがいいか。
異世界ファンタジーと日常系コメディの合わせ技が本作の持ち味であろうが、このエピソードはその中でも日常系に思いっきり舵を切ったお話。
うん、普通に青春ラブコメだ(笑)

対して8巻は、一気にこのお話が異世界ファンタジーの要素を持っていることを思い出させてくれたストーリーの本筋。
いよいよ異世界エンライスラの面々が動き出し、地球サイドにいる魔王+勇者のチームにちょっかいをかけてくると。
そして、これは日本発のファンタジーに共通する要素か、かの「まおゆう」でもそうだったが、教会特に権勢の強い中央の教会というのは悪の権化として描かれる運命か(笑)
新だと思われていたメインヒロインたる勇者の父親も登場して、そろそろ物語上の謎解きも始まるのかな?と思わせて続きか・・・・・・

刺青白書(樋口有介)←電子書籍

柚木草平シリーズ第4作・・・・・・あれ、別の所では第三作とか番外編とか紹介されていたような・・・・・・どれが本当なんだ?(^^ゞ

今作では柚木は主人公に非ず。
というか、シリーズでは物語は柚木の一人称形式で語られているのだが、今作に限っては通常の小説と同じく三人称形式。
結果として、柚木以外の視点が大きく取り入れられている。
ただ、それで痛感したのだが、このシリーズ特有の事件の後味の悪さ、苦さというのは、柚木のあの語り口でかなり緩和されていたのだなと。
物語の主人公は、この作品では殺されたアイドルと女子アナ候補の女子大生と中学時代同級生だった三浦鈴女。
女子大生で、江戸時代の春画や風俗を題材にした卒論と就職にアタマを悩ませながらも、マイペースな彼女はなかなか可愛い♪
このシリーズにおける女性キャラの中でも屈指のかわいらしさと言っていい・・・・・・私の好みだけでものを言っていますが何か?
ただ、歴史を専攻する鈴女というキャラクターを配置したことでところどころ出てくる「歴史観」は、作者である樋口氏の「本音」なのかな?とは余計な興味か(笑)

鈴女の目を通して、事件被害者達の過去(鈴女と共通した部分がある筈なのだが)が徐々に明らかになり、最後は柚木の推理によって事件は解決するのだが、それでも読者たる私には大きな疑問がひとつ残った。
それは、読んだ人にしか分からないことであろうが

吉永理恵という少女は一体「何者」だったのか?

さあ、お前のSAN値を数えろ

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(渡航)

アニメ化というので読んでみた。
このお話、6巻を境にガラリと話の趣が変わってくる。
自分の悪評を逆手にとってのヒールを演じて物事の解決を図る主人公=比企谷八幡。
まさにプロレスのヒールだが、ヒールはセメント(真剣勝負)でも発揮できる確かな実力とハートの強さが必要なんだ。
ティーンエイジャーがこなせる役割ではないんだぜ。ということで、主人公の行動は実に痛々しい。
しかもそれによって救われる側は、彼と違い「リア充」な人々というのがまら救えない・・・
痛々しいが、その行動に怒りすら覚えるほどに彼を理解する人達の行動がこれからの鍵か?

早い話が、これからはG1ステークス「八幡救済」カップの開幕になるんだろ?(爆)

本命=ゆきのん(メインヒロイン)
対抗=がはまさん
ダークホース=川なんとかさん
大穴=先生

こんな感じか?


雲ながれゆく(池波正太郎)← 電子書籍

主人公は、老舗菓子店「笹屋」主人である夫・伊之介を失ったお歌は、ある雨の日、雨宿り先で一人の浪人に手込めにされる。
これが物語の始まり。
そして、実家である料亭「大村」に戻ったお歌であるが、嫁ぎ先の笹屋のお家騒動や大村をひいきしている大名家の江戸屋敷留守居役関口理右衛門に頼まれた仇討ちのごたごたに巻き込まれていくが、その騒動の中で自分を手籠めにした謎の浪人馬杉源吾に再会することになる。
物語の大筋は、ふたつのごたごたを抱えたお歌が馬杉源吾に助けられるところから一気に動き始めるのだが、この馬杉源吾がやたら強い・・・というか、超人過ぎるww
女を抱かせてもよく、その際の気配りも完璧で、一刀流の達人達を素手でいなすほどの超人・・・・・・って、どこまで完璧超人なんだよww

で、ネタバレになるが、最後にお歌は源吾の子を身ごもることになるのだが、肝心の源吾は姿をくらましてしまう。
彼のことを知る者達も、結局は源吾の正体については何も知らない。
このオチの付け方からすると、ひょっとしたら源吾は「仙人」だったのかな?とか間抜けなことを考えてしまった(爆)
いや、超ハイスペックでかつ実は女好きって、結構「仙人」の要件を満たしていないだろうか?

この小説、展開だけを見れば、ちょっとご都合主義的な部分もあるのだが、池波正太郎先生の文体になじめる人なら全然OK!!
私は好きです♪


藁の盾(木内一裕)

映画公開直前に滑り込み読了。
相変わらずのミーハーで申し訳ない。

プロットは完璧といっていい!!
よくこんなストーリー思いついたな!!と素直に感動した。
命の価値とは、とか難しいことを考えずに、主人公銘刈の入り込んだ命がけのゲームに手に汗握って物語に没頭するのか吉。
スタート地点が福岡で、東京までのロードムービー仕立てということで、知っている地名もたくさん出てきて素直に入り込めた。
で、この作者様、元は漫画家で「BE-BOP ハイスクール」の人だったんですね。
主役の銘刈は、映画版は大沢たかおで文句ないが、仲村トオルでもよかったかも・・・・・・って歳いきすぎかww
漫画家出身の方だけあって、「絵」としての見せ所は心得ているなと。
これは、確かに映画向きのアイディアだ・・・作るのは、めちゃくちゃ大変だろうけど(^^ゞ
ただ、映画版では、白岩役は松嶋菜々子か・・・・・・なぜ女性にする?
その方が、資金が集まりやすいのか?
白岩は「バカ」だからいいんだぞ!?
でも、松嶋菜々子が原作の白岩と同じキャラクターで同じ運命をたどったら評価する(笑)

ところで、この本、kindleなら電子書籍であったんだな・・・・・・


最後にエントリタイトルの件(笑)

「這いよれ!ニャル子さんW」・・・ライダーねたが満載で嬉しい限りwww
ウィザードねたまでしっかり入れているし、それ以外にも、black W 龍騎 フォーゼかww
キックストライクとライダーロケットドリルキックの激突には大笑いした。

仮面ライダーウィザード 第30話「魔法の消える日」

今週のウィザード!!

ドラゴンといいキマイラといい、宿主(?)のこと好きすぎるだろ。
ところで、私は絶対にレギオンさんに襲われない自信がある(哀)


今週からは「レギオン」篇。
レギオンこと内藤さんを演じるのは、村田充さん。
響鬼で童子、キバではビショップと平成ライダー二作品で幹部怪人を演じたお方。
そう考えると、ゲスト怪人扱いというのはもったいない気が・・・・・・

ただレギオン、めちゃくちゃ強い、そして外道・・・・・・エキサイティング!!
いままでのファントムと異なり、レギオンはゲートを絶望させることにも、確保することにも興味を持たない人間。
ただ欲望のままに暴れるだけ・・・・・・最初から覚醒フェニックスさんモード。
で、その暴れる内容というのが・・・・・・

レギオンは心の美しさを好むファントム。
彼が美しい心を持っていると判断した人間の心を破壊することを至上の喜び=欲望とするファントム。
具体的には、相手のアンダーワールドに強制的に入り込み、内側から心をずたずたに切り裂くという非道さ。
心を破壊された人間は昏睡状態に陥り、結果として彼のせいで連続昏睡事件が多発する。
ただ、この暴れ方だと、相手がゲートだった場合、中のファントムも殺してしまうだろうなと思っていたら、終盤本当にやりやがった!!(驚)
ワイズマンが封印するわけだ。

で、そのワイズマン、いよいよ出張って来て、レギオンを開放したグレムリン=ソラにお仕置き。
ただ、ソラとしては、ワイズマンを自分の目の前に引っ張り出すのが目的だった様子。
彼は彼の好奇心に従って動いているようですが、その好奇心のために彼なりに命をかけていた様子。
彼がワイズマンに会って知りたいこと。それは

・ワイズマンのこと
・サバトのこと
・魔法使いのこと
・賢者の石のこと

ここで新たなワード「賢者の石」が出てきました。
ウィザードでは、「賢者の石」はどういう意味を持つのでしょう?
TwitterのTLを見ていたら、賢者の石というワードが出た途端、「ハガレン」「ハリポタ」と反応する人が出ていましたが、賢者の石自体、ファンタジー要素、オカルト要素を持つ諸作品でさんざん使い倒された小道具なのに、どうしていちいちわざわざ新しめの作品タイトルを出して騒ぐのか私的には激しく疑問。
ちったぁ、他の小説や映画を見れ。

話がそれましたが、賢者の石、ウィザードでは晴人のさらなるパワーアップに関係するのかな?と
予告で新フォームらしき姿が映っていたし。

レギオンに話を戻すと、彼は晴人の心の美しさにも目をつけ、彼のアンダーワールドにも入り込みます。
途端に破壊され始める晴人のアンダーワールド。
そのアンダーワールドに、マヨネーズも乱入。
以前、キマイラにとりつかれたマヨネーズを助けるために、晴人がマヨネーズのアンダーワールドに入り込んでキマイラを倒そうと提案したことはありましたが、まさかの逆パターン!!
しかもアンダーワールド内で、まさかのキマイラ&ドラゴンのタッグ!!
しかし、レギオン強い!!
キマイラ&ドラゴンという巨大ファントム二体を相手に一歩も引かず、逆にドラゴンを返り討ち・・・・・・って、ドラゴンやられちゃったよ!!!!
ドラゴンは、晴人の魔力の源。
そのドラゴンが死んだら、晴人変身できない?いや、魔法使いでなくなってしまう?
まさかのウィザード終了。
え?となると、晴人から魔力を分けて貰って命を長らえていたコヨミは?コヨミはどうなるの?
いきなりの怒濤の展開。
いままで晴人が強すぎなくらい強い魔法使いであったが故に成り立っていたウィザードという物語が一気に崩壊しかねない事態。

晴人の復活はなるのか?
レギオンを止めることが出来るのか?
コヨミはどうなるのか?
ソラの疑問にはいかなる答えが用意されているのか?
白い魔法使いがまた出てくるが、真由の出番はあるのか?
予告の新フォームは何なのか?(オールドラゴンとは何だったのか?)

色々と気になるポイントがてんこ盛りであります。

あ、そうそう、ソラの疑問のひとつ
・サバトとは何なのか?
について、私は、ファントムを生み出すためではなく、魔法使いを生み出すのがその目的だと解釈している。
そして、ファントムを増やす行為というのは、魔法使いとの抗争を激化させて、より強力な魔法使いを生み出すことだろうと予想している。

はっぴーばーすでぃ オレ

4/6は誕生日だった。
しかも土曜日だったが、みっちり仕事したぜ。
世はこともなしだ。

ということで、小説二作品感想だ。

ねじまき少女 上下(パオロ・パチカルビ) ← 電子書籍

久しぶりに読んだ本格SF。
ボリューム、世界観、ストーリー、圧倒される。
タイを舞台にしたこのお話には様々な人々が登場するが、中心となるのは、アメリカ人起業家アンダースンと京都生まれのねじ巻き少女(早い話がアンドロイド)であるエミコ。
未来、化石資源が枯渇し、象を使った動力などが中心となった時代。
主人公二人を中心にした物語は、あるひとつの世界の終焉へと読者を導きます。
さらに言えばこの物語は、

環境省の実働部隊、通称白シャツ隊と呼ばれる部隊のリーダーであるジェイディー
ジェイディーの部下の女性で副官のカニヤ
アンダースンの部下にして実務家、イエローカード(中華系難民)の老人、ホクセン

といった主人公以外にも個性的な面々により、様々な角度で「ねじまき少女」の生きる世界が語られます。
こうした手法は、世界観の奥行きを示すのにいい表現方法だと思うのですが、一方で焦点が散らされやすくもあり、人によってはかえって物語に入り込みにくいかも。ただ、それぞれがキャラクターとしてみれば、実に魅力的なので私にはおいしく感じられた要素。

ただ、終盤は、物語の焦点は一気にエミコ中心に切り替わり、彼女がある行動を起こして以降は加速度的に物語のスピード感は増していきます。もう、圧倒的といっていいくらいに。
そして、物語が終盤を迎えたとき、破滅した世界の片隅で、エミコと物語の狂言回し的な存在であるキブセンが出会い、新しい世界、人を排除した新たな秩序と「自然」を予感させてこの物語は幕を閉じます。

この本、一度紙の本で読んでいたものの、途中で挫折。電子書籍でなら・・・と思いDLしたのですが、紙の本の時と違い、一気に読み切れました。

参考までに
ねじまき少女の用語/登場人物


花まんま(朱川湊人)

近頃私的にお気に入りの朱川湊人。
表題作の「花まんま」は生まれ変わりをテーマにした短編で、直木賞受賞作。
生まれ変わりについては、同作者の別作品「わくらば追慕抄」でも触れられていますが、このお話は「当人」がそれを自覚してのお話。
泣ける・・・・・・とにかく泣ける・・・・・・
特に生まれ変わりの記憶を持った妹のお兄ちゃんが(爆)
悪く言えばシスコン、しかしシスコンだっていいじゃないか。
立派なお兄ちゃんであろうとするが故に、前世ではない「今」の妹とその周囲の人々の思いを大事にしようとしてくれているのだから。

表題作は勿論名作であることを認める。
しかし、それでも私にとってこの短編集の目玉は「妖精生物」だ。
「世にも奇妙な物語」の題材にもなり得る不思議談。
朱川湊人は勿論立派な文学者であるが、怪獣と昭和特撮が好きな人でもあるのだなとつくづく思った。とにかく、怪獣好き昭和特撮好き、そして怖いお話が好きな人には絶対的にお薦めだ。個人的には恒川光太郎を彷彿とさせた作品でもある。
日常生活に入り込んだ怪異。
メルヘンともとれる「それ」の正体が明らかになった時の怖さは異常。
そして、破滅のないまま不幸へと滑り落ちていく主人公の人生の絶望感・・・・・・怖すぎるわ!!しかも、彼女の抱く絶望感はひょっとしたらこの国全体を覆っているのかもしれないのだ

マナへの依存心は異常

大貝第一中学の生徒達は、マナ(キュアハート)に頼りすぎだな

ばらかもん 7巻 (ヨシノサツキ)

長崎の福江島を舞台にしたほのぼの島ライフコミックの第七巻。
この巻では、ヒロシがさらに「普通」になり、学習発表会でのなるにホロリとさせられます。
ことにヒロシに関しては、この年頃の少年少女なら誰でもぶつかる「将来のビジョン」に悩まされると。
結果として、「料理人」を目指すことになるのだが・・・・・・就職希望先が北九州って、まさかうちの近くじゃないだろうな?←落ち着け、フィクションだ。


ハヤチネ 1巻 2巻 (福盛田藍子)

岩手県大迫を舞台にしたカントリーライフドラマ。
ハヤチネとは早池峰山のこと。
先述の「ばらかもん」と地方を舞台にしたコミックという点で重なるが、こちらの方がその土地ならではの風土色を色濃く出している感じ。民俗学など、東北の文化に興味のある人を引きつけるポイントは持っている。
その意味では、「生活」そのものを題材にしている「ばらかもん」とは微妙に差別化は出来ているかな?と。あと、地元(岩手県)とのタイアップは実現しやすいだろうな(笑)イギリス海岸とか朝市とかの観光資源も取り扱っているし。
ただ、リリアンや誠司を始めとして登場する子供達が「ばらかもん」に出てくるなる達に比べると「出来すぎている」という印象はある。

仮面ライダーウィザード 第29話「進化する野獣」

今週のウィザード!!

ビーストハイパー!!
古代の遺物なのにマグナムだと!?

スプリガン篇の後編。

ゲートである中本に振り回される晴人とマヨネーズ達。
でも、ビーストドライバーを盗んだのに、マヨネーズの命がかかっていることを知らなかったんですね、中本さん。
割と若い(?)頃には、上司に手柄を横取りされ焦っていたのでしょう。
彼が盗んだことに感づいた晴人達を前にしても、知らぬ存ぜぬを通そうとしますが、新しいプラモンスターのゴーレムが作った偽物に引っかかって馬脚を現します。
でも、ゴーレム、意外と使えることは分かったが、これからずっと内勤専門?
偽ベルトがきっかけとはいえ、仁藤の事情を理解した中本はビーストドライバーを返します。発掘品も一緒にして。

で早速パワーアップ!!
と思いきや、変身の段階でアンダーワールドに久々のキマイラ登場。
素直にパワーアップしてくれないのは、晴人のドラゴン同様か・・・・・・魔法使いのファントムはツンデレ揃いだな。

というか、ふと思ったのだが、もしマヨネーズが元々ゲートだったなら、キマイラはどうしていたんだろう?元のファントムを喰っていたのかな?或いは一緒に同棲(?)
と馬鹿なことを考えている間に、マヨネーズとキマイラの取引は完了。
ビーストハイパーの誕生です。
あの腕のヒラヒラ(スリンガー)に昭和の香りをかいだ(爆)
ただ、晴人のドラゴンスタイルやオールドラゴンあたりに比べると、強さの差別化が弱いような・・・・・・間違いなく強くは成っているんだろうが、戦術のドラゴンスタイルのバリエーションに比べてどうなんだろ?このあたりは、二号ライダーのパワーアップ回でいつも感じる疑問だったりする。
ともあれ、スプリガンはビーストハイパーが撃破。

で、来週なんですが・・・・・・何かやばそうなのが出てくるみたいですね。
演じるのは村田充さん、響鬼で童子、キバでビショップと過去ライダーで幹部クラスを演じて下さったイケメンさんじゃないですか!?
その封印を解いたのは、ソラことグレムリン。

「全てを知りたい」

という彼は、やはり単なる「幹部」とは違うポジションのようですね。
サバトのこと
ワイズマンのこと
知りたい様々なことには、ゲートの存在と自分たちファントムのことも含まれるのでしょう?ワイズマンがファントム達にとって「神」のような存在だとしたら、彼の疑念はそれだけで「罪」ということになりますが、人が楽園を喪失したがごとく、彼にもまた「神」の鉄槌が落ちることがあるのでしょうか?
ワイズマンとメデューサにとっては、フェニックスさん以上に扱いにくいファントムなのかも?

仮面ライダーウィザード 第28話「盗まれたベルト」

今週ウィザード!!

CMのネタバレがorz

今週と来週は、マヨネーズのパワーアップ回。
多分、ゆず胡椒か塩糀がブレンドされるんだな・・・・・・

今回のゲートは、考古学者。
マヨネーズもかつては大学で考古学を専攻していた身。
ゲートがビーストドライバーのキマイラの顔に似た指輪とツールらしきものを発見したこともあり、意気投合。
しかし、このゲートがとんだくせ者にして、うだつの上がらぬ助手の身・・・・・・って、全国の大学院の助手さんに謝れ!!
学者としての立身出世を夢みてということなのでしょう。自分の発見したものと関係深そうなビーストドライバーをファントムの仕業と偽ってバックレます。
そうとは知らないマヨネーズは、ファントムのスプリガンとグレムリン(ソラ)に向かっていきますが・・・・・・

「盗んだって?知らないよ」(ソラ)

言っている内容は正直そのものだが、普段の行いが悪すぎる(笑)

今回のファントムはスプリガンとのことだが、スプリガンは遺跡とか財宝とかを守る妖精なので、考古学者が絡んだ今回の一件にはちょうど合っている。
そのスプリガン、なかなか強いです。特にあの盾、ウィザードの攻撃を跳ね返しているし・・・・・・まぁ、だからこそ来週のビーストパワーアップが引き立つんだろうけど。

それにしても、考古学者のゲート、来週はどういう形で罪を懺悔し、マヨネーズにドライバーを返すのでしょうか?
ドラマパートの見所はここか?
ただ、いまのところはジコチュウきわまりないので、キュアソードと魔法少女ビーストに折檻されたらいいよ。

ビーストのパワーアップが一段落したら、真由ちゃんのその後のフォローもよろしくお願いしたい。
ウィザードのパワーアップは・・・・・・まだあるのか?

ドキプリが剣で、キバがプリキュア(?)

根拠はこの画像。

ファイル 1249-1.jpg

仮面ライダー剣の第二期OPを思い出してみよう。

ファイル 1249-2.jpg

そしてついでに言うと、ここで感想をあげているキバだが、キバットバットとタツロットいう小型モンスターの力を借りて変身していることを考えると、キバは一番プリキュアに近いライダー(笑)
カブトもゼクターという疑似(機械)生物の力で変身しているが、キバットやタツロットと違って会話によるコミュニケーションはとれない。
その意味では、キバットとタツロットの方がプリキュアでいうところの「妖精」に近いと。

いつものようなどうでもいい前置きのあとの小説感想です(w

探偵は今夜も憂鬱(樋口有介)←電子書籍

柚木草平シリーズの第三弾・・・ということになるのでしょうか?
この本は、前二作(「彼女はたぶん魔法を使う」「初恋よ、さよならのキスをしよう」)の長編とは異なり三つの物語からなる中編集。
・雨の憂鬱
・風の憂鬱
・光の憂鬱
上記三つの中編それぞれともに、柚木草平が事件を追いつつも美女と絡むところはシリーズのお約束。
作品が作られたのが90年代で、携帯電話やインターネットが爆発的に普及する前夜ともいうべき時代である為か、柚木草平はとにかくよく動く。
これはアクションという意味でなく、話を聞くためにはとにかく動き回るしかない為。
このまめな「聞き取り調査」を美女との洒脱な会話を含めて進めて行く辺りは、柚木草平シリーズが人によりハードボイルドの系譜に加えられる由縁か?
少なくとも2000年代の探偵のスタイルとは言いがたい部分もある。
いま柚木草平のようなキャラクターの探偵を生み出すとしたら、電子戦対応の為に若いパートナーかハッカーを相棒につけたキャラクターづけにするんだろうな?とは、私の勝手な妄想(笑)
三作ともに苦い結末が待っているが、現実的にというか登場人物の確実な破滅が待っているだろう結末が「雨の憂鬱」
苦い結末ながら、結果的にはハッピーエンドともとれる「風の憂鬱」
苦い結末の要因となったある人物の思いを悪意ととるかどうか?でちと私が迷った「光の憂鬱」

ことに美人女優という芸能人をメインに据えながら、彼女と柚木とを直接絡めなかった「風の憂鬱」が私的にはお気に入り。
結末の苦さという部分では「光の憂鬱」・・・・・・ある善良なオトコの一生に一度のわがまま、それが招くことになるだろう悲劇は私的にはトゲのようにひっかかった。


小説 仮面ライダーキバ(古怒田健志)

ドル箱コンテンツともいえる平成ライダーの中でもキバの注目度は低い。
実際、読書メーターなどのSNSでも、小説仮面ライダーの中でもキバに対する反応の薄さは異常・・・・・・
これは、電王とディケイドというシリーズ中でも屈指のヒット作の合間に位置するという部分も大きいのでしょう。
それにしても・・・・・・だ!!

あの設定のおもしろさとデザインの秀逸さが分からないなんて、お前ら見る目がないにもほどがあるぞ!!

と他にも言いたいことはあるが、愚痴はここまでにして・・・・・・

他の小説版は未読なので決めつけは良くないが、このキバに関してはアナザーストーリーというよりは、本編を小説用に組み替えたものという位置づけのようだった。
一年がかりの物語を一冊に圧縮しているので
・「素晴らしき青空の会」の嶋さんや襟立賢吾が未登場
・名護さんのクールな面や病的な面だけが特化して描写されている
・ガルル(次狼)以外のバッシャーやドッガといったアームドモンスターが未登場
・ダークキバ、サガが未登場
・キバットバット、タツロットも登場しない
・↑必然的にエンペラーフォームもなし
・イクサもライジングフォームはなし
・現代過去ともに「キング」は登場せず
等々と大幅に内容は省略されている。
特に名護さんの項はちょっと省略しすぎ。
小説とテレビドラマの違いもあるのだろうが、本編での「愛嬌」のようなものが皆無な嫌な奴になっていた。
このあたりはボリュームとメディアの違いということか。

ただ小説版では、この一点突破にかけていたと思うのだが、主人公の渡が「ファンガイアと人間のハーフ」であるという部分に力を注いでいたように思う。
いまにして思えばだが、本編ではこの部分は「キング」や父「紅音也」との血縁を別にすれば、ちと薄かったように思える。
小説版での渡は、ファンガイアとして人を襲う衝動に苛まれたり、ファンガイアを倒す自分に苦悩したりしている。
本編では、渡がキバとして戦う動機は
「人の中にある音楽を守りたい」
という抽象的とも言えるものだったが、小説版よりその動機を引用すれば

罪のない者、弱い者を、一方的な暴力から救うこと、それが力を与えられた自分がするべきことだったのだ

ということになり、こちらの方がしっくりくる。
というか、多分こちらの動機の方が「キバ」の戦う理由の本命だったのでは?と愚考。

最後に本編最終回に登場した渡の息子マサオ=未来の仮面ライダーキバの母親って、小説を読む限り、やっぱりあの子だったんでしょうね(笑)


プリズム(神林長平)

読書メーターにも書いたが、よくも悪くも哲学書のようなSF。
豊かなイマジネーションのまま描かれる時空を越えた物語群は、何となくハーラン・エリスンを読んだときの感覚を思い出した。
とにかく訳が分からないまま読み進み、読み終わったあとも訳が分からないが、とにかくイマジネーションに圧倒されたと(笑)
登場するのは、いわゆる「高次生命体」ともいうべき存在で、こうした者達を登場させる物語は語るのが難しいだろうなと思う。
人間の想像の埒外に位置する者達を描写するという矛盾に孕んだ行為をしなければ、物語は進まないのだから。
この「プリズム」は7つの短編からなり、全体でひとつの大きな物語となっている、いわゆるオムニパス形式の小説です。
とりあえず言えることは、朱夏とTR4989DA、宙魚ペズが可愛い(笑)
青の将魔「ヴォズリーフ」(絶世の美女)に踏まれたい(爆)
ということだ。
ただ、このお話で出てくる制御体、言ってみれば究極の管理コンピューターというべき存在なのですが、「彼」は「自らが理解出来ない存在を許さない」筈なのですが、終盤に登場するテーマパーク「SOW」という制御体の管理から外れた社会を許容している部分が正直府に落ちなかった。
おかげで終盤私はちょっと混乱してしまったのだが・・・・・・
あまり難しく考えてはいけないのだろうな(^^ゞ

あと、紀伊國屋のkinoppyで検索をかけても「神林長平」作品は出てこない。東野圭吾と同じく、電子書籍には反対の立場を表明している人なんだろうか?それならそれで仕方ない。別に紙の本を買ったり読んだりすることがいやというわけではないので。

この紙の本と電子書籍ということに関しては、ある「鬱憤」がたまっている。
それは・・・・・・

電子書籍を使っているというと、ネットリアル通じて、紙の本派の人からやたら電子書籍の悪口を言われることだ。こっちは紙の本も読んでいるし、それを否定したことなんかないのに・・・・・・一方的すぎるぞ!!
実際に使っている人間としては、目の前で自分のツールの悪口を言われるのは、いい気分のするものじゃないぞ(怒)
それに、私は目が悪いので、電子書籍リーダーで助かっている部分が多々あるのだ。

ただ、読んでいる姿について、電子書籍を読んでいる人と文庫本を読んでいる人が並んだら、文庫本を読んでいる人の方が賢そうに見えることだけは認める(爆)

オールスターNS2を見に行く度胸が僕にはありません

コミック感想二篇とエクストラ

ミスミソウ 上・下(押切蓮介)

ひたすら「痛い」物語。
冬の寒村。
閉鎖された「寒い」世界は、人を狂気に駆り立てるのか?
ホラー映画の名作「シャイニング」を思い出させるシチュエーション。
「シャイニング」において狂気に蝕まれるのは、主人公一家であるが、これは中学校という「世界」
子供達の世界は、決して楽園などではないし、歯車の狂いは容易に人々を非道な行いに走らせる。
それが「子供」という自制の効かない年代だけが支配する世界ならなおのこと。
とにかく、救いのないお話。
まともでは生きていけない世界。
もうやめてくれ!!と叫びたくなるほど、描写は苛烈。
決して、万人向けではないが、読んだら暫く引きずるほどのインパクトを読者に残す傑作コミックです。


よつばと 12巻(あずまきよひこ)

とら可愛い、みうらママ美人、やんだ実はイイヤツ!!
相変わらず特別なギャグがあるわけでもないのに、ついつい顔がほころんでくるいつものよつば世界。
子供グループと大人グループの距離感が秀逸。
しかし、これは同時に「痛い」お話だ。
どこが?というと、この巻の最終ページの最後の一コマ。
あのシーンを見ると、「自分」が一体「何」を失ったのかを嫌と言うほど思い知らされてしまう。

さて、エクストラの部分。
以前の小説感想エントリであげた「濱田金吾」だが、youtubeで検索していたらこんなものを見つけました。
まぁ、確かに曲は「濱田金吾」のものではあるが(笑)

凄すぎるんですが(笑)
話は濱田金吾から離れるが、ガンダムXのBGM「あなたに力を」は名曲だな。