記事一覧

トップ

リハビリ兼ねて感想あげ

調子が悪い日が続くが、生存報告を兼ねて読書感想文

捨て猫という名前の猫(樋口有介) ← 電子書籍

”柚木草平”シリーズ第9作にして、私的シリーズ最高傑作。
物凄く強引な理論だが、世の”大人”たる人々は、これと天童荒太の「永遠の仔」は読んでおくべき。
両者の共通点は、大人達の身勝手さによって不幸な境遇に追いやられる子供たちの悲劇であること。

樋口有介作品には、全てではないにしろその根底には子供たちを踏みにじる大人達の身勝手さへの怒りがある。
私が読んだ中でも、本作しかり、デビュー作「僕と僕らの夏」、「窓の外は向日葵の畑」、「不良少女」etc
本作は、その怒りの部分をかなり前面に押し出している。

読み進み事件の真相が分かっていくにつれ見えてくる、本作の主題である自殺した秋川瑠璃という少女の抱えた逃げ場のない絶望感
柚木が事件に関わる切っ掛けを作ることになった少女、青井麦の抱えた孤独

そして二人の少女の悲劇の背後に見えてくるどうしようもない大人達

本作においても主人公柚木は、洒脱な台詞や行動を見せながらも、女にもてて女にだらしない。
しかし、結局のところ、彼が事件に本気で取り組むことになった原動力は「青井麦」という少女の為なのだろう。
柚木と彼女との関わりは、他のヒロイン達と異なり、決して「男と女」のそれではないのだが……
物語を振り返った時には、読者の誰しもが青井麦の行動の一つ一つに哀切を感じざるを得まい。

物語の読後感は、他のシリーズ同様切なく苦々しいもので、エンタメ作品ならではの爽快さとは無縁だ。
ただし、ラストで柚木の娘(小六)加奈子が見せる子供ながらも女らしいしたたかさは、ささやかな救いを読者にもたらしてくれる。

話は脱線するが、ヒロインの一人にして事件解決の鍵となる少女「青井麦」
この名前は、仏文学の「青い麦」に引っかけているのかなと。
原点(?)とは男女の立ち位置が逆のようだが。

パシフィック・リム

パシフィックリム、燃えました。

この映画、確かに私のような昔の特撮やアニメで育った人間にとっては興奮する要素満タンです。
そこには、確かにかっての日本のアニメや特撮のエッセンスが詰まっているのでしょうが、このパシフィックリムという映画は、あくまでもデルトロ監督の情熱と才能によって成り立っている映画なのですよ。

巨大ロボ対怪獣
・・・・・・永遠の「男の子」のテーマです。
自分なりに物語を妄想したことのある「男の子」なら、一度は夢みた物語。
ただ、それを「商業映画」として成立させるのは大変です。
不特定多数の人達に、あの楽しさをもれなく伝えないと行けないのですから。
不特定多数という言い方をするなら、私のようなタイプの観客は除外されるべき。
なぜなら、巨大ロボ対怪獣というシチュエーションだけで、アドレナリン全開でスクリーンに臨むのですから(笑)
最初から、公平な視点なんて持てるはずがない(爆)

デルトロ監督がその「商業映画」としてのハードルをクリアするに当たって、ヘタに人間ドラマに重点を置くのでなく、それはあくまでも隠し味に押さえて、徹底的に巨大ロボ対怪獣のど迫力映像を前面に押し出す手法をとっていると私は感じました。
ロボットのギミックも完璧!!
多分、石川賢先生がご健在だったなら、歓喜するか、悔しがるか、どちらかの反応を示したと思う。
そう、何となくだが、ゴジラ、ガメラ、ガンダム、マジンガーというよりゲッターテイスト(私主観)

で思ったのだが、日本もゲッターロボ號におけるアラスカ戦線を映像化するべき。
というか、もう作れないなら、デルトロに映像権を渡せ(ヲイ
ゲッター、ステルバーといったスーパーロボット連合軍対メカビースト軍団
巨大陸上戦艦対巨大陸上戦艦を映像で見たい。

かつてゲッターで感じたそんな欲求をまさかハリウッド映画で実現して貰えるとは思わなかったのだが(笑)

あのタンカーを棍棒みたいにぶん回す喧嘩スタイルのロボットアクションや、物語全体に漂う追い詰められた悲壮感は、かつて石川賢版原作ゲッターに感じたテイストでした。
劇中で登場する二人の科学者のキャラクターも原作ゲッターにおける敷島博士を思い出してしまう私(笑)
ゲッターの敷島博士にしろ、マジンガーの光子力研究所の三博士にしろ、変人科学者はこの手のジャンルには欠かせないですね。

日本サイドからは菊地凛子がヒロインとして登場していましたが、彼女かなり動ける人なんですね。
幼少期を演じた芦田愛菜は、かなりうざかったが(笑)まぁ、小さい子供ならではの「うるささ」と思えば、あれも計算された演技の内なのでしょう。

パシフィックリム、とにかく細かい部分はいい。
怪獣と巨大ロボが好きな人には無条件にお薦めなのです。


小説感想7冊

パシフィックリム見てきましたぜ!!
これ、怪獣好きには絶対お薦め。
ネタバレになってはいけないので、例によって感想はまだ寝かしておきます。

空ちゃんの幸せな食卓(大沼紀子)

この作者様は、「真夜中のパン屋さん」で有名な方だとか・・・・・・私は読んでいないけど(笑)
収録されている作品は三点

表題作の「空ちゃんの幸せな食卓」とデビュー作の「ゆくとし くるとし」、そして「僕らのパレード」
いずれもちょっと普通とはずれた家族の物語。
いずれもその芯には人生の悲哀を隠し味としつつも、ユーモアで柔らかく包み込んだ上質なお菓子のような短編小説・・・・・・などと言うと抽象的すぎるだろうか?
私は、基本的にエンタメ嗜好人間にしてダメ大人の国際A代表全日本チームしている自覚はあるが、こういう地味系のお話も好物。

ことに気に入っていたのは、表題作で主人公達が変なあだ名で呼び合おうという下り。
どういうことかというと、喧嘩するような事態になっても、ヘンテコネームでお互い罵りあっていれば、最終的に本気の喧嘩にならないという理屈から(分かるような分からないような理屈だw)
だから、主人公の「空」は「空豆」
主人公の姉「歌子」は「師匠」(歌子→歌丸→師匠)
この家庭内ルールが発揮されるシーン、空が姉を「師匠」と初めて呼ぶシーンは表題作の中でも注目のシーンだったりする。

「僕らのパレード」は、ちょっとほろ苦い少年少女達の心の傷のお話
「ゆくとしくるとし」は、産院を営む母の元に訪れたとあるおかまさんと遭遇した女子大生のお話。


こっちへお入り(平安寿子)

アラサーOLが出会い、のめり込んでいく趣味、それは「落語」
いや、参りました。落研出身者としては昔の血が騒ぐといいますか(笑)
「落語」というのは、演者によって解釈もその価値も大きく変わってくる実に能動的な「物語」なんですよ。
ひとつひとつの「台詞」も演者の解釈によって、意味が違ってくることもある。
そして、そこには現代の我々と大して変わらない庶民の心があり、同時に現代人にとっては目から鱗の人生観もある。
落語にあまり興味がないとかよく分からないという貴方!この本なら、主人公のOLさんとともに落語の世界を楽しみつつそして我知らぬ間に学びつつひたることが出来ますよ♪
主人公の属するのは、市民サークルといいますか、早い話が「素人落語の会」であり、実際に「広島」にはそうした会が生き残ってます。また、某県では私の先輩が実際に知ろうと落語の会を引っ張っていたりする。
北九州は・・・・・・昔は似たような会があったが、いまはどうなんだろ?

これは私だからこそ書いてしまう感想なのですが、何というか古傷というよりも懐かしい傷が心地よく刺激される、そんなお話でありました。


ゲート 自衛隊彼の地にてかく戦えり (1)接触篇 (柳内たくみ)

ゲート 自衛隊彼の地にてかく戦えり (2)炎龍篇 (柳内たくみ)

ゲート 自衛隊彼の地にてかく戦えり (3)動乱篇 (柳内たくみ)

ゲート 自衛隊彼の地にてかく戦えり (4)総撃篇 (柳内たくみ)

ゲート 自衛隊彼の地にかく戦えり (5)冥門篇 (柳内たくみ)

ウェブ発ということでちょっと読んでみた・・・・・・ちょっとの積もりが結局一気に全巻読んでしまった。後悔はない。

西暦20XX年、東京中央区銀座、このど真ん中に異世界と繋がるゲートが突如開き、そこからこれまた異世界の軍勢が東京に押し寄せてきた。
多数の市民が犠牲になるも、日本側は警察と自衛隊の連携により、この脅威を排除。
そして、この事件をきっかけに「特殊地域」通称「特地」への自衛隊派遣が決まる。
ストーリーの大筋としては、自衛隊が「特地」へ派遣され、その世界で思う存分能力を発揮しつつ世界(地球サイドを含む)を変えていき、やがて「特地」を去るまでのお話。
メインの主人公(登場人物がとにかく多い)は、初めて「特地」側の軍勢が攻め寄せてきた時に(偶然)活躍した伊丹曜助陸上自衛隊二等陸尉(旧軍の階級で言えば中尉ですね)
そして、大筋では異世界の美少女と出会いつつ伊丹ハーレム(笑)を築いていくまでのお話でもある。
こう書くとラノベくさいな(笑)いや、ある意味ラノベなんだろうけど。
著者の方が自衛隊出身と言うこともあり、自衛隊の「ハード面」の描写はバッチリ!!
ただし、以下の方はこのお話は読まない方がいい。

(1)人が死ぬシーンがダメ、許せない方
(2)ミリタリーの苦手な方
(3)自衛隊の存在そのものに反対な方
(4)政治的な思想の影響を受けやすい方
(5)リア充爆発しろ派
(6)ウソをウソと見抜けない方

(1)について言えば、とにかく人が死にます。どんどん死にます。
あたりまえです。最初は言葉も何も通じない異世界同士、そして異世界側は中世ヨーロッパの文明レベルで、傍若無人な統一国家「帝国」の支配する世界。
知らない相手が出てきたら、とにかく殺しにかかります。
当然相手をすれば、相手を殺します。そう、これは間違いなく「戦争」のお話なんです。自衛隊も相手を殺すことを躊躇しません。躊躇=私を殺して下さいということですから。
また、異世界の「神」も人が人を殺すことを否定していないという・・・・・・

(2)これはまぁ・・・・・・主人公サイドが「自衛隊」ですからねえ(^^ゞ

(3)これは語るまでもないでょう(笑)

(4)第一部~第二部までは、割と純粋な娯楽作と言っていいでしょうが、後半はちょっとネトウヨ的な(笑)政治観がちらちらと見受けられます。あくまでもこういう考え方もあるのだという範囲で読み流せる方なら問題はないです。しかし、戦争をいかに終わらせるかという政治的プロセスをネット小説で延々と綴ったケースは珍しいのではなかろうか?

(5)主人公、無自覚にハーレム作っちゃいますからね(笑)ただ、この主人この場合は何となくではなく、ちゃんと「実力」と「行動」が伴ってますからね。年齢も33才だし、色々問題ある人物でもれっきとした幹部自衛官なので、ラノベならではの「小僧、世の中舐めんな!」というタイプではない。

(6)これも言うまでもないな(w

文庫でもリリースされておりまして、現在は第三部の動乱篇まで刊行されてます。
ビジュアル含めて読みやすいのは文庫の方だし、お値段も抑えられているのでこちらの方がお薦め出来ます。
先に書いたとおり、第二部(ドラゴン退治)までは純粋に娯楽色が強いので、騙されたと思って第二部までは読んでみることをお薦め。
ただし大手出版社から出ているわけではないので、ある程度以上の規模の書店でなければ、置いていないケースもあります。

この小説、異世界=ファンタジー世界の諸々相手に自衛隊が無双をかます点から考えて、ジャンル的には「地球、いや日本を舐めてんじゃねえぞファンタジー」というべきか(笑)

宇宙戦艦ヤマト2199第六章(BD)

Yamato2199第六章、TV視聴組の方に分かりやすく言えば、第19話~第22話感想。
BDも発売されたし、もう感想を書いても許されるでしょう。

ただひとつ、巷を騒がせているTV版新OPについて

歌詞の中に
fight for free
という箇所がいくつもあるのだが、作った人、ちゃんとヤマト見ていなかっただろう?
見ていれば、「Fight for Free」なんてヤマトの物語のテーマとしては実に甘っちょろいと分かるはずだ。
「自由」とかの前に、生きるか死ぬかの問題なんだが・・・・・・
いい加減に、主題歌を変更するならするで、ちゃんと「物語」の主旨を把握して歌を作って貰いたいものです。
それに、ヤマトという作品を理解し、宮川親子二代の手になる劇中音楽をちゃんと聴いていたなら、ああした曲にはならなかった筈だと思うのだ。

テーマにきちんと沿った歌だったなら、ささき御大でなくとも、あの「曲」でなくとも私は納得します。
私は個人的に「ヤマト」のOPはささき御大でなければ、とは思っていますが「絶対」ではないのです。
ヤマトの場合、オールドファンがうるさいでしょうが、リアルタイムで見ていた年寄りの私といえど「ファースト」には拘らない。
足し算引き算で、余計なものが付いたり逆になくなってしまった要素なんかも出てくるだろうが、トータルとして「ヤマト」であればいい。
ビジュアルにしても、いまの時代に沿った絵柄になっていくのは仕方がないとも思っているし、オリジナルの作り手である西崎氏の旧帝海の要素が減っても、それ以外のミリタリー要素が減っても、古き良き時代の日本の美学が薄まっていても
トータルとしての「ヤマト」が感じられればいい。
2013年に1970年代のヤマトを期待する方が酷だし、それではいまの世代に見て貰えない。
いまの世代に見て貰えないヤマトリメイクに何の意味があるんだ?とうるさ型のオールドファン及び同時代人には強く言いたい。
今度のYamato2199はよく出来ているし、スタッフも旧作のエッセンスをよく理解されている。
これ以上を求めるのは、もはやないものねだりでしかないし、オールドファンの場合、声が大きいだけにただの迷惑だと思うのです。

ということでようやく本筋の感想です。

第19話「彼らは来た」
第20話「七色の陽のもとに」

ぜーリックのクーデター明けから七色星団決戦までのお話。
これを見ていると、対ヤマト戦に限って言えば、ドメルという人は実に不運の武将だなと
ドメルという人は、恐らくは「有事の人」
国家が危機に瀕した時、それを救済するために戦陣で成果をあげることで国家を救う才を持つ人。
対して、ヒスやギムレーは「平時の人」だと思うのですよ。
外敵が決定的な脅威とならない比較的安定した情勢下で、或いは自身が徹底的に有利な状況下でその才覚を発揮できる人達。
「有事の人」というのは、ある種の「奇才」ですから、政権運営を担っているであろう「平時の人」からは疎まれるのは多少は仕方ない。
その点でいえば、ぜーリックも「平時の人」
地球サイドでいえば、恐らくは芹沢も「平時の人」ではなかろうかと思います。
まぁ、ヤマトやドメル及びその幕僚団のように「有事の人」ばかりが顔を揃えた集団がある意味異常なのでしょうが、そこは立場が人を作ると言うことで。

ガミラスの場合は、恐らく勝ち戦が続いたばかりに「平時の人」が力を持ちすぎたのでは?ギムレーなどはその典型。
ただ、問題は国難の時に、「有事の人」が才覚を発揮しやすい状況を作っておいてあげること、道を譲ることが「平時の人」の仕事でもある筈なのですが・・・・・・権力は目を曇らせるなぁ・・・・・・
多分、ギムレーが非常事態であることを考慮して自分の有する戦力の一部なりともドメルに委譲しておけば、多分ドメルは勝っていた。
決戦でヤマトが空母艦隊を撃破した後、対していたのは旗艦ドメラーズだけでしたが、もしもう何隻か戦闘艦が残っていたら、いくらヤマトといえでも波動砲の使えない状況下ではおそらくアウトだった筈。

その意味では、ガミラスのごたごたに助けられている部分が大きいな・・・・・・


第21話「第十七収容所惑星」
第22話「向かうべき星」

七色星団決戦で驚愕の森雪船務長拉致!!
雪とイスカンダル王家の姫がうり二つという設定がここに生きてきました。
物語のパターンとしては「とりかえばや」ですね。
しかし、言語とDNA鑑定で一発でばれる気がするんだが(笑)
まぁ、デスラーとしては「イスカンダル王家の姫」らしき人物が自分のそばにいることが優先なのでしょう。
ドメルの時もそうだが、立場上致し方ないとはいえ、デスラーもかなり政争の方を優先する人ですね。

この二話でのエピソードの要は、ガミラス内部の改革派とヤマトの間にパイプが出来たことか。
山本怜(地球)、ユリーシャ(イスカンダル)、メルダ(ガミラス)の三人娘による宇宙女子会も見れたし(笑)
あれ、でも、山本って火星出身だったな・・・・・・ということは、純粋な意味での地球人が一人もいない(爆)

あの女子会は私にすれば実に感慨深かった。
三人娘の話の中身は実に他愛ない話だし、ストーリーの本筋とは全く関係ない。
でも、「平和」ってそういうものではなかろうか?
そういうどうでもいい、人から見ればくだらないお話をスイーツ(お菓子)をつまみながら出来る状況こそ「平和」なのではあるまいか?
これは私個人の勝手な憶測だが、「平和って何?」「ヤマトがこの航海と戦いの果てに数多の犠牲を出してでも手にしようとする世界ってどういうものなの?」という問いに対する本作スタッフなりのひとつの回答なのではなかろうか?
だからこそ、こうも思うのだ。

叶うことなら、いつの日かこの「女子会」に雪とヒルデが加わらんことを、と

特に恋バナに花を咲かせる面々の話に赤面しつつも耳をそば立てるヒルデの姿は見てみたいぞ(笑)

(おまけ)
収容所惑星での反乱分子、捕虜になっていたガトランティス人の中にどう見ても「ズオー大帝」としか思えないオヤジが混ざっていた件(笑)
Twitterによると、ザバイバルもいたらしいが、こちらは気がつかなかった。

ショートピース(映画)

ショートピース、これのコミックスを読んだ時、私はまだ詰め襟姿だった(笑)

公開劇場は、博多中州大洋。
本来なら、北九州市民の私にとってはちょっと遠い場所です。
ただ、現在の職場が福岡市内でかつ公開初日が土曜日出勤の日に当たったので、衝動的に帰路、博多駅から通常なら快速に乗って家路に就くところを地下鉄に乗り換えてGO!でありました。持ってて良かった、SUGOCAw


オープニング
何というかですね、このOPのデザインには惚れましたよ。
そして、ふと思い出したのは、迷宮物語でありました。いや、本来なら大友克洋作品で且つオムニバスアニメ映画であるならば、「メモリーズ」とくるべきなんでしょうが、私にとってこのOPは迷宮物語を彷彿とさせるものがありました。

九十九
付喪神と職人の一夜の不思議話。
古き良きおとぎ話を現代の最先端(だよね)アニメーション技術で縦横無尽に描写して見せた大友作品ならではのビジュアル作品。いや、私は妖怪好きだから好きでしょ。芸術作品のように捉えているレビューを見かけましたが、これはむしろ金のかかった日本昔話を楽しむ感覚でいいのではないかと(笑)

火要鎮
振り袖火事というべきか。
江戸時代を舞台にした悲恋と火消し達のお話だが・・・・・・ヒロインのやっていること、ハッキリ言って放火ですからね。いささか意地の悪い見方をすれば、ラストシーンは、下されるべき裁きが下されたととれないこともない。
このお話のウリは、やはり綿密に描写される江戸時代の消火法とその為に尽力する町火消し達の詳細な描写かと。意外なことだが、町火消しのリアルな姿が描写されるのって、アニメ実写ともに実に珍しいのでは?と思いますよ。

GOMBO
タイトルの意味がいまだに分からん(爆)
個人的にはこれが一番好き。
村の幼い娘の願いを聞き届け、命を賭けて彼女を助ける森の番人(熊)
恐らくは、神使ともいうべき存在なのでしょうが、対する相手は恐らくは赤鬼型のエイリアン。ちょっとぐろいシーンもあり。
熊と赤鬼とのバトルは、まさに怪獣映画のノリ!!迫力満点です。

武器よさらば
一番「エンタメ」していた作品。
監督はカトキハジメ。私にとってはVガンダムとクロスボーンガンダムのデザイナーさんである。本職(?)がメカニカルデザイナーさんなだけあって、近未来の兵器描写が凝ってる凝ってる。SF好きだけでなく、ミリオタさん達の視点で見ても面白いのでは?
何といっても、市街戦のディティールとラストのシュールなオチが素敵です。

この映画、一時間八分と少々短いので、お近くの劇場で公開された時、気楽に見れると思います。

誰が有害指定おじさんやねん!?

ということで、気分転換にラノベを読んでみた。
たまには、甘いお菓子を食べたくなるのですよ(笑)

斉藤アリスは有害です。 ~世界の行方を握る少女~(中維)

周囲に不運を巻き起こす存在・・・・・・有害指定少女
我が日本国憲法における「法の下の平等」「基本的人権」の埒外と指定された史上初の存在、それが斉藤アリス。

道を通れば、暗雲が立ち込み、路地裏の野良猫すら悲鳴を上げ、道行く人々はその視界に触れまいと姿を隠そうとする「魔王」斉藤アリス。
その不幸を呼ぶ体質(能力?)故に、両親とも死に別れ、天涯孤独の少女。
その斉藤アリスに、不遜なまでの知的好奇心をあらわにする少年が一人。
その名は山野上秀明

「僕はオカルトなど信じない」

学校で指定された役職ながら誰もが忌み嫌う「アリス係」を嬉々としてこなし、アリスの観察を怠らないガリ勉野郎である種の変態(笑)
そして、彼秀明が見たアリスの素顔は・・・・・・ただの人見知りの不幸少女だった。
しかし、アリスは謎の組織「研究所」によって保護される身であり、その保護の手段も恐ろしいまでに「権力」と「軍事力」を駆使したものだった。

では斉藤アリスとは何者なのか?
彼女の「能力」とは何なのか?

ジャンル的には「セカイ」系と言っていいかもしれないし、変則的なボーイ・ミーツ・ガールなのかもしれない。
ただ、この作品で目を引いたのは、ラノベらしいスチャラかな台詞回しやキャラのコマ回しの影で垣間見える背後の権力者達の暗躍。
ハッキリ言ってダークです。
そのダークさは、後半に入り、アリスと秀明、そしてクラスメイトの森元や長谷川達まで巻き込みつつあった和やかな日常に牙を剥きます。
その牙に対して、秀明はただの子供でしかない己の卑小さを噛みしめる・・・・・・が、ただでは転ばない。
踏みつけられても、絶望の淵に追い詰められても希望を見出そうともがき、最後まで「考え続ける」ことをやめない秀明が最後にアリスとつかんだものは?

とその部分は読んでのお楽しみ(笑)
オチを言えば、アリスは最後まで「有害指定」から脱することは出来ないのであるが、それでも秀明との絆は手に入れると。
話の傾向としては泣ける話と言っていいでしょう。
「野郎、この作者、泣かせにかかってきてやがるな」と分かっていても、いい年こいてウルウルしそうになる私はダメ大人(爆)

でも、

組織が絶望させようと、実の両親がアリスを組織に売り、航空機事故に偽装して彼女を捨てた両親の真実を聞いてもなお両親の存命の方を喜ぶアリスの優しさや
己の運命(と組織が思い込ませようとした)を受け入れ、自分の命を終わらせようと無人の学校に来てたった一人の出席をとるアリスや、
そのアリスが望んでいたものを最後の最後に与えてくれた「博士」の遺言

は「卑怯」とさえ言えるクライマックスではあった。


斉藤アリスは有害です。(2) ~あなたが未来の魔王です~ (中維)

前巻はナンバーが付いていなかったので、多分好評につき作った続編なのでしょう。
だって、前巻で話自体はキレイに終わっていたのだから?

どうやって、あれの続きを作るんだよ?

と思っていたら、この巻には新キャラ=ニューヒロインを投入。

その名はドロシー。ファミリーネームを持たない天涯孤独の14歳の少女。
米国より「有害候補生」なる指定を受けて、秀明とアリスのいる町を訪れた元研究所の実験素材(研究所自体は前巻のエピソードを以て壊滅)
このドロシー、秀明と接触してとんでもないことを言い出します。
自分は未来から来た秀明の娘であると。
そして、彼女の目的は未来の世界を壊滅させる魔王の誕生を阻止することだと。

ドロシーとは何者なのか?
魔王とは誰なのか?

この巻では前巻で垣間見せた「ダーク」さがさらにパワーアップして主人公達に牙を剥きます。
ハッキリ言って、研究所のやっていたことは、もう人間の所業ではないという表現すら生やさしいほどのグロさ。
クライマックスで、魔王の正体、ドロシーの正体が分かった時、物語は哀しい結末を迎えます。
ただ、全くのバッドエンドではない。
読んだ人間にしか分からないが最後の一文

「斉藤ユーリカは今日も元気ですよ-」

これが最大の救いか。

ところでラノベ的視点で言えば、主人公秀明の嫁(笑)はアリス一択だと思うが、この巻を以てドロシーも嫁候補に名乗り(爆)
もし、続きを作るとすると「黒の君(ニグレド)」と名乗り、インターネット上でアリスとドロシーが絡む二つの事件を予言して見せた謎のデイトレーダー(文中で「彼女」と表記されている)か?
そして、「彼女」が嫁候補三号になるのか?
え?長谷川さん?彼女は、秀明と「勉強の出来るバカ」という共通項を持っているだけの痛い子だし、ドロシーから既に「二号」指定されている.
副担任でアリスと秀明の後見人であるラブ先生も同じくドロシーから「行きずりの女」宣告されているので、嫁候補からは除外だ(笑)
どちらにしてもネタ要員以上の存在にはもうなるまい(ヲイ)

最後に、この作者様、ラブコメを書きながらも、人間の悪意を実にいやらしく(つまり上手く)表現できる方のようなので、本来は警察小説や犯罪小説などに向いている方なのではあるまいかと勝手な妄想をしておきます。
大体、2巻における魔王の力の正体「少女地獄症候群」なんてネーミングからして、ちょっと夢野久作くさいんだから(笑)

武士道三部作読んだった

誉田哲也の「武士道」シリーズ(?)三部作、一気に読んだった。
いやあ、久しぶりに夢中になってむさぼり読んだシリーズでした。
そして、このインタビューを読む限り

武士道女子高生の最後の夏

どうやら仮面ライダー555がヒントになっている様子なので、特撮ファン的にも大満足なのである(笑)


武士道シックスティーン(誉田哲也) ← 電子書籍

いわゆるひとつの剣道バカ、磯山香織
幼少の頃から剣道一筋、宮本武蔵を心の師と仰ぎ、ひたすら勝利のみを追求する(無自覚ながら)修羅道を突き進む彼女。
しかし、全中剣道大会決勝でまさかの不覚をとった彼女は、ゲン直しとばかり、中学最後の大会に横浜市民大会に出場。
順調に勝ち進む筈・・・・・・が、まさかの敗退。
相手は、同じ中学三年生、東松学園中等部の甲本早苗。
雪辱を誓う香織は、打倒甲本、そして兄が剣道をやめるきっかけとなった対戦相手岡巧への敵愾心を胸にスポーツ推薦で東松学園高等部、そしてその女子剣道部に進むことになる。
しかし、そこに「甲本」はいなかった。

実は、甲本早苗は家庭の事情で「西荻」早苗と姓が変わっていたのだ。
そして、西荻早苗は、香織とは対象的にお気楽平常心とでもいうべき精神性の少女。楽しいことを第一義に考える香織とは対象的な剣道少女だった。

シックスティーンでは、香織と早苗の出会いが描かれます。
香織との出会いによって開花する早苗の才能。
そして、早苗と出会い、剣道バカ故に現代剣道に生きる部員達の中で孤立を深めることで、いままでの剣道人生に迷う香織。

剣道とは?
そして、武士道とは?

この巻では人斬りから始まった剣術が、いかにして現代剣道へと変遷していったのか、その歴史的背景と対象的な二人の剣道少女を通して「武士道」の姿がおぼろげながら見えてくる。
そして、「武士道」の真髄は、次巻の「セブンティーン」へ・・・・・・


武士道セブンティーン(誉田哲也) ← 電子書籍

またまた家庭の事情にて、西荻早苗、甲本早苗に逆戻り(笑)
そして、早苗は神奈川から福岡へと転居、そして剣道強豪校福岡南高校に(多分、東福岡高校辺りがモデルか?)
道を分かった香織と早苗だが、いままで異なりただ勝つだけではなく、真の武士道を追い求める香織と、新しい環境に戸惑い、「スポーツ」としての剣道、武士道を念頭に置かない独特の競技用剣道になじめない早苗。
この巻では、香織が中学時代全国大会で不覚をとった相手、黒岩レナが登場。
早苗と友情をはぐくみながら、一方でそれと矛盾することなく対東松、対香織に早苗を利用するレナ。
おぼろげながら武士道を追い求め始めた早苗にとっては、部内と自分との意識のギャップに苦しむことになるが、ある日遂に爆発して・・・・・・

この巻ではいよいよ「武士道」の本質が語られます。
戦いを生業とするのが「武者」なら、戦いを収めるのが「武士」
相手を傷つけることなく、暴力から人を守り、暴力を制する・・・・・・理想と言えば、それまでだが、それを文字通り実践して見せたのは、警察官である香織の父親だった。
そして、香織自身もとある事件に巻き込まれて、その武士道の極意を実践せざるを得ない状況に陥る。
一方、部の方針にこらえられなくなった早苗は、レナと決闘することに。その決闘の場に現れた担当教師吉野により、レナともども「武士道」の真髄を諭されることになる。

具体的な言葉で、そして行動の描写で現代における「武士道」という概念を描写して見せた誉田哲也という作家は、やはり凄い。
ところで、誉田作品、このシリーズが初めてでしたが、人の死なない作品はこれが初めてとのこと。
高校剣道の実態を知るために取材に訪れ、モデルとなった蔭学園女子剣道部では「私達を殺さないで下さい」と懇願されたとか(笑)

武士道エイティーン(誉田哲也) ← 電子書籍

現時点における最終巻にして、二人の高校剣道最後の年。
遂に訪れる全国大会における

香織 vs 早苗
香織 vs レナ

早苗との対戦は、意外な形で、というかあっさりと決着がついてしまいます。
しかし、それでもいいのでしょう。
二人の「武士道」はもう勝敗を超えたところにあるのだから。
対して、レナとの対戦は迫力満点。
武道としての剣道(香織)と競技としての剣道(レナ)が真っ向からぶつかり合います。

この巻は、香織を軸としたライバル対決の総決算でもありますが、同時に他のキャラクター

早苗の姉でモデルの緑子
香織の師匠で道場主の桐谷玄明
早苗の福岡南での師匠格と言える吉野
二人の後輩、田原美緒

彼らの物語がサイドストーリーとして収録されています。
緑子のエピソードは、いつも強気な早苗の姉という形でばかり登場する彼女の「実はとっても女の子」な部分が明かされ
玄明の物語は、現代剣道の暗部を抉るもの
そして、吉野の物語は苦々しい青春の物語
さらに驚かされたのは、吉野と玄明に接点があったこと
そんな二人の弟子筋に当たる香織と早苗が、武士道に関して同じ結論に達したのは実に感慨深い。
現代における「武士道」はこうして世代継承されていくわけである・・・・・・
そして、それはおそらく後輩の田原美緒にも・・・・・・

一応、二人の物語が語られているのは、このエイティーンまで。
読書メーターの他の方の感想にありますが、私もまたこの続き、ナインティーンを読んでみたい。
何しろ、エイティーン終盤では、一旦分かれた二人の進む道がまた交わる気配を見せていたのですから
しかし、一方でナインティーンではなく、二人の後輩である田原美緒を主人公としたエイティーン・セカンドステージとでもいうべき物語を読んでみたい気がします。

ところで、このシリーズ、映画化もされているんですね。

映画「武士道シックスティーン」

成海璃子、北乃きいのダブル主演か。
制作した時点では、確かにベストキャスティングに近いと思う。
ただ、原作における早苗(北乃きい)の強さの秘密は、映画では描写されていなかったな。
あとクライマックス部分は、セブンティーンのある部分を流用していたし、香織の父親が警察官でなく道場主だったりと設定もちょっとミックス気味に改編はされています。

樋口有介作品ふたつ

さて、そろそろ真剣にオフ会の日程だけでも決めておきたいのだが・・・・・・とりあえず、メニューだけは焼き肉で決まりのようだ(笑)

樋口有介作品二つ

不良少女(樋口有介) → 電子書籍

樋口作品、とりわけ柚木草平シリーズはやるせない物語が多い。
これもそんな作品にして、短編集にして、柚木草平シリーズ七作目。

収録作品は5篇。
表題作の「不良少女」は、柚木が行きずりに知り合うことになった少女小鳥遊ユカにまつわる事件。
このお話で、私は「小鳥遊」がなぜ「たかなし」と読むのか、理由を知りました(笑)
しかし、この名字、ラノベやコミックでは割と好んで使われるが、実際には国内に数世帯しかいない希少な名前じゃなかったか?
ただ、タイトルこそ「不良少女」だが、闇を抱えている女性というには、同書収録の他作品(「秋の手紙」「薔薇虫」「スペインの海」)のヒロインに比べれば、小鳥遊ユカは実にピュアではある。「不良」ではないが、「秋の手紙」のヒロイン沢井菜穂美あたりの方が女としてのずるさを遺憾なく発揮しているのだから。
ひょっとしたら、小鳥遊ユカの純真さはシリーズヒロイン中でも「刺青白書」の綾女に匹敵するレベルなのかもしれない。


窓の外には向日葵の畑(樋口有介) ← 電子書籍

著者デビュー作である「僕と僕らの夏」を彷彿とさせる設定。
夏休み、美人教師、学園の闇、父親と二人暮らしの主人公、そしてとぼけた外見と言動とは相反して鋭い分析力を有する父と子。
このあたりは、デビュー作を踏襲している。
これにさらに生意気な後輩女子とあこがれの先輩女子を加え、さらに幼なじみの幽霊というファンタジー要素もブレンド。
設定と扱われるキャラクターだけをとれば、ラノベにも十分転用可能なのに、しっかりと文学しているのはさすがの文章力。
ハッキリ言って、現時点では樋口作品の中では一番好きですよ。
解説にも書かれていたが、まさにデビュー作のアップデート作品。

中盤、主人公に接近する紅亜に嫉妬する真夏と
終盤、先輩女子の明日奈に嫉妬する紅亜

が可愛くて仕方ない(笑)
そして、最後の最後に作者が用意した仕掛けには思わずにんまり・・・・・・主人公は複雑きわまりない心境であったろう。
さて、彼、青葉茂の恋愛感情は、紅亜に向けられるのか、それとも真夏に向けられるのか・・・・・・結果は同じなんだけどね(笑)

小説感想三つ

モノレールねこ(加納朋子) ← 電子書籍

短編集。
表題作の「モノレールねこ」は主人公の少年期における猫を介してのある甘酸っぱい思い出。
その思い出が、大人になった彼にある劇的な状況を作り上げていた。
最初から最後まで、ちょっとほっこりする短編です。

収録されているのは、トータル8篇。
特に印象深かったのは、人の心の哀しさと恐ろしさを描き抜いた「シンデレラの城」
現実と幻想、現世と幽世との境界線が曖昧になったある「家」の物語。

そしてもう一編は「バルタンの最後」
バルタンとは、主人公(!)のザリガニのこと。
少しずつずれて、でもお互いを必死に思いやる家族の姿、それを見守るバルタンの視線があったかい。
バルタンはイイヤツだし、この家のお母さんが実にいい「お母さん」なのです。


コロロギ岳から木星トロヤへ(小川一水)

割とサクッと読めるSF長編。
表紙と「帯」買い。
「帯」については、実際に「書店」でご確認下さい。
時間軸を自在に動き回る超次元生物「カイアク」と21世紀の天文台観測員、そして23世紀木星の二人の少年の物語。
時間軸に捕らわれ、21世紀と23世紀の間で身動きがとれなくなった「カイアク」、そしてその「カイアク」の為に生命の危機にある二人の少年を救え!!
時間と空間を超えた救出ミッション!!
よくこんなこと考えついたな、と感心しきり。とにかくアイディアとスピーディな展開が魅力。
割と想像力は駆使されることを要求はされるが、これこそがSFの醍醐味。
しかし、お話の題材として「腐女子」ネタは必要だったのか?(笑)


ペンギンハイウェイ(森見登美彦) ← 電子書籍

狸でもない、京都でもない、腐れ大学生でもない森見作品。
地理的な場所は明記されていない、どこかの地方都市。
主人公は小学生のアオヤマ少年。
いずこともなく現れたペンギンたちの謎を追う彼は、謎めいたお姉さんと出会い、友達のウチダくんやハマモトさんと親交を深めていく。
そして、お姉さんに敵愾心を燃やしたり、いじめっこのスズキくんにくってかかるハマモトさんの強気な態度に見え隠れするアオヤマくんへの幼い恋心がかわいい(笑)
ジャンル的にはSFということになるのだろうが、子供の視点からながら世界の深淵を描き、同時に心地よいジュブナイルの世界を描いた本作は、森見作品とは思えないキレイさだ。

なにげにニコニコ動画で森見登美彦関係で検索をかけると、こういうものを見つけた。ペンギン・ハイウェイのPV風アニメーション。

ルーター交換

ルーターを交換しました。

モデルは、これ↓の子機付きタイプ。子機といってもハード的には親機と全く同じなんですけどね。

Buufalo WZR-1750DHP/E

交換→設定は妙に手こずりましたが、交換後のネット接続は良好です。スピードテストでのテストでは約38Mbpps~50Mbps、交換前のほぼ倍。交換前にもフレッツ契約変更(ファミリー100から光ネクスト)時にちょうど倍の速度になったことを考えれば、フレッツ当初に比べればほぼ4倍。しかし、ルーター交換だけで純粋にインターネット接続速度というのは上がるものなんでしょうか?
出費的には痛かったが、これでIPv6に完全に対応出来るようになった。
また、USB接続のハードディスクやプリンタをルーターに接続することによって、ネットワークデバイスとして使用することも出来ます。

Wifi環境もこれで向上しましたし、タブレット、スマホともに接続設定は以前のルーターより簡単でしたし、接続状態も良好のようです。ちなみに子機(アクセスポイント)は、以前使っていた子機と同じくテレビの近くに置いています。

コミック感想ふたつ

3D彼女(那波マオ) ← 電子書籍

これ、たまたまyahooか何かで見て試しにとkinoppyでDLして読んでみました。
ストーリーとしては、ラノベによくあるパターンのアレです。
オタク男子に超絶美少女が惚れるという奴。
ただ、問題はこれがメディア的に少女漫画と言うこと。

果たして女性の視点からそういう関係を描くとどうなるか?
主人公筒井光とと美少女五十嵐色葉の関係はどう描写されるのか?ですが、実際に四巻まで読んだ感触からすると・・・・・・石野さん面白い(笑)

話を戻そう。
筒井光は、確かに身近にいたらキモイかもしれないが(同族嫌悪w)、一応言動に筋は通っているんだな。
五十嵐色葉は、かわいい上にいじましい。ただ、ラノベとは違って、テンプレ的なツンデレやワケの分からない言動のようなものは控えめ。
で、気づいた点を言うと、このお話では、主人公筒井は、不器用で回り道しながらも、色葉への愛情を何かしら形(お菓子作りw)で表している・・・・・・女性視点からすると、やはり何らかの形で表現して欲しいと言うことか?
でも、似たような題材を扱っているのに、ラノベよりも少女漫画の方が処理の仕方が上手なような・・・・・・このあたりは後発組ならではのアドバンスか?

さて、いきなり「石野さん」という名前を出しているが、彼女は筒井の初めての女友達にして、色葉の初めての同性のお友達・・・・・・二人ともどれだけボッチなんだ(ToT)
ただ、人を見る目はない(笑)
結構、ダメ男というか、見た目だけで変な男をつかみそうなんだな・・・・・・

見た目といえば、このお話、筒井のキャラをたてるためか、読者層のリア充への怨念に配慮してか(笑)、リア充男にクズしかいない(爆)
実際には、リア充の方がいわゆる「イイヤツ」が多いんじゃないかと思うんだけどな・・・・・・
何で出てくるリア充男、やたらと暴力的な男が多いんだろ?

ツヅキくんと犬部のこと  衿沢世衣子(漫画) , 片野ゆか(原作)

元ネタはこれですね。

北里しっぽの会

漫画では犬ですが、実際には犬以外も対象にしているようですね。
いわゆる里親ボランティアという解釈でいいのでしょうか?
この種の活動、私の地元や福岡でも活発に行われていますが、私も一人暮らしでなければ何らかの形で協力したいところだ。

お話は、一端大学を卒業したものの、一念発起して獣医師を目指して大学に再入学したツヅキくんの犬部での奮闘ぶりを扱ったもの。
生き物相手というのは大変です。実際に犬を飼ったことのある経験からすると、一匹だけでも大変なのに・・・・・・お金の面だけで考えても本当に大変ですよ。
実際、モデルになったしっぽの会では資金繰りはどうしているんだろ?

決して派手ではないが、じわじわくる感動系のお話。
犬好きな人は勿論、ぬこ派な方にもご一読をお薦めします。

山本弘を連続で読んでみた

どういうわけか、入手のタイミングとでもいうのだろうか?
二冊連続で山本弘さんの小説に手をだすことになってしまった。
二冊ともに読んでみて思ったのだが、山本さん、ひょっとして「物語」で「現実」を変えるという野心をお持ちなのか?


アイの物語(山本弘)

未来、地球は機械達によって支配され、少数派の生物となった造物主たる人類はそれに抵抗していた・・・・・・と誰もが思っていた。
そんな人類の一人「僕」は、アイビスと名乗る女性型アンドロイドに捕らわれ、そこで7つの物語を聞かされることになる。
七つの物語、それは真実の歴史とは異なるフィクションであったが、最後の物語、アイビス自身の物語にこそ、真実は隠されていた。

千夜一夜物語のシェヘラザード姫のごとく、機械達の話を拒絶する「僕」をアイビスはその物語で惹きつける。

第一話 宇宙をぼくの手の上に

第二話 ときめきの仮想空間

第三話 ミラーガール

第四話 ブラックホール・ダイバー

第五話 正義が正義である世界

第六話 詩音が来た日

第七話 アイの物語

冒頭に書いた「物語」が「現実」を変えるという感想、それを一番強く感じたのは第一話。
ここで扱われているのは、ネット上でのリレー小説。
そこに参加してメンバーが、現実の世界である罪を犯すのだが・・・・・・
ラストに向け行き詰まった小説の展開と、現実の世界で行き詰まってしまったメンバーの少年の境遇が重なり、彼のある決意は小説に思わぬ展開をもたらしていく。その展開は現実の彼自身に反映していくというもの。
「物語」が本編のツールとして重要な意味を持つというこの小説の特色を色濃く反映した短編であります。
最初にこの話を語ったアイビスの(この段階では)隠された意図が、全体を読み返した今となっては実に感慨深い
第一話から第六話までは、アイビスが在りし日にマスターだった人物から教えて貰った物語であるのだが、実は彼女、というよりも機械達の行動原理に根付いている共通した理念がそこには眠っている。
それは、「人間達の夢」であり、それを人間達には到底実現不可能な時間感覚で実行していく機械達の行動目標でもある。
人間達によって生み出された機械達は、同時に人間達の「夢」の継承者であり、恐らくは生物としての後継者なのだろう。
それがはっきりするのが第七話であり、そこで「僕」は真実の歴史と、人類と機械との正しい歴史を知り、そして・・・・・・

物語のラストは、機械と人間との果てのない「未来」への架け橋を感じさせ、心優しい人間達によって生み出された心優しい機械達が見守り続ける地球という惑星の新しい歴史の語り部の誕生を思わせる。


詩羽のいる街(山本弘) ← 電子書籍

「SF的ギミックを用いないSF」と作者様ご自身がおっしゃっているが、まさにそう。
人と人とのつながりを論理で導き出し、最良な解を得ていく女性=詩羽(しいう)
その存在は確かにファンタジーであるが、その成り立ちはむしろ作者的にはSF的な存在なのかもしれない。
このお話は4つのパートによって成り立っているが、正直

第一話 それ自身は変化することなく
第二話 シーン・ケリーのように

まで読んだところでは「ちょっと綺麗事に過ぎるかな?」といささか鼻につく印象があったのだが、

第三話 恐ろしい「ありがとう」

に至っては、まるで読者である私の心理を見透かしたかのように、悪意というものを詩羽と読者の前に提示してくれている。その悪意と対峙した時、詩羽はどうするのか?
いや、その妙手はタイトルの通り、恐ろしい。
善意の体験授業というものがこんなに恐ろしいものとは・・・・・・
この第三話で、第二話の主人公=佐世ちゃんが登場するのだが、その登場させ方も少々意地が悪い。基本的に私が好きになる作家さんというのは、意地の悪い人が多いな(笑)
勿論、アウトラインだけをつまんで見ていくと、それは善意に溢れた心優しき物語ではあるのですが、悪意を以て生きてきたこの第三話の主人公にすれば、実に居心地が悪いだろうし、徐々に「洗脳」されていくような不安感があるに違いない。
だから、この主人公は詩羽達の前から逃げ出すのであるが・・・・・・

第四話 今、燃えている炎

ここで第三話主人公の台詞が、ラストを締める台詞として効いてくる。
この第四話の主人公は実は・・・・・・と書いてしまうと、物語全体の壮大なネタバレになってしまうので書かないが、もしこの感想を読んで興味を持った方がいるのなら、第一話~第三話までの間、ずっと物語を縦軸に貫くある「物語」のことは頭にとどめておくことをお薦めする。
しかし、山本弘さん、この第四話という詩羽の物語の末尾を飾るエピソードのヒントをまさか「らきすた」からつかんでいたとは。

物語全般を通して、詩羽は「必要な人ともの」を結びつけて、人々を幸せにしているが、この行為って、経済原理そのものなんですよね。
経済というと、どうしても金融経済を代表として電子取引が近年では主流であり、ともすると冷たく硬質なイメージがつきまとうが、経済というシステム自体は、人類史上の他のさまざまな発明品と同じく、人を幸せにするためであり、貨幣も流通もその為のツールだった筈なのだ。
人々の幸せを実現するために、論理(詩羽が用いているのは単なる優しさではない)を用いている詩羽は、社会学のエライ人達が理想とした形を具現化した存在なのかもしれない。

仮面ライダーウィザード 第40話「自転車に乗りたい」

今週のウィザード!!

真由ちゃんキター!!

変身ポーズカッコイイ!!!

「」

今週のファントムは、性転換したアンジェラ・アキ・・・・・・じゃなかった、シルフィーだそうです。
風の妖精ですね。人間態のメイクは夢に出てきそうでしたが・・・・・・
そのシルフィーと直接対峙するのは、マヨネーズこと仮面ライダービースト。
・・・・・・何だよ、仮面ライダーだろ?自転車乗りだってライダーだぞ。
しかも、もらい物でkonaだと!?要らなくなったMTBがkonaだと!?
どんなブルジョアだよ。
ちなみに、カラーリングと画面から確認できたフレーム形状からして、マヨネーズの愛車はこれではないかと?

Kona BLAST

まぁまぁ、いいチョイスだ(上から目線)

今回は自転車に乗れない少年がゲート。
もうすぐ引っ越す近所のお姉さんの朱里さんにいいところを見せようと、マヨネーズ協力の下大特訓。
いやー、マヨネーズイイヤツです。
子供目線からすると、本当に頼れるけれど決して近寄りがたくないいいお兄さんですね。
マヨネーズにフォーカスをあてた回では、ほぼ必ずと言っていいほどマヨネーズ株が上がるな。

一方で今回の見所は、真由ちゃんの復帰。
しかし、真由ちゃんの中の人は、メデューサ姐さんの中の人でもあるが、一人二役、それも幹部怪人と魔法使い(ライダー)という全く異なるキャラクター。
まだお若い(現役JK)のに芸達者なお方だ。
毎度のことながら、東映はいい役者さんを見つけてくるなぁ。
ただ、変身後の姿は・・・・・・いや、私は慣れているからいいんですよ。
去年(フォーゼ)だって、美人幹部キター!!と思っていたら、正体はおっさんだったし・・・・・・あの時はテレビの前でファントム生み出しそうになったわ。
でも、せめてオリジナルデザインにして上げて欲しかった。
あれ、劇場版に登場予定のウィザード量産型・・・・・・言ってみれば、555におけるライトルーパーみたいなもんでしょ?いや、ライオトルーパーの方がデザインが凝っていたわ!!
折角のJKライダーだったのにorz

さて、次回は白い魔法使いによる魔法使いスカウト戦略がさらに加速するみたいですね。
やはり、サバトやファントムとの抗争は、魔法使いを生み出すことこそが目的なのは間違いなさそうな気が・・・・・・

たまには日々のこと

ここ最近、というか、今年(2013年)に入って以来、ブログの中身が感想文ばかりになっている。
これはこれでまぁいいのだが、たまには日常のお話。


(1)携帯を換えました

iPhone4SからiPhone5に交換です。

といっても、好きで換えたわけでなし・・・・・・

落としました(ToT)

結果、一括ではないとはいえ、本当に色々と余計な出費が発生してしまいました。

(2)無線LAN環境に手を入れます

切っ掛けは、光TVのお試しキャンペーン

チューナーを取り付けたところ、全く使い物になりませんでした。

理由は、現在使っているルーターがIPv6に対応していないから・・・・・・ルーターを変えるしかない!!

ショップに行ってみましたが、現在在庫はなく(私は子機付きを所望)7月に入ってからの入荷とのこと。とりあえずルーターと子機、そしてギガバイト対応のスイッチングハブはオーダーはしました。交換が完了したら、現状56MBの無線LANが一気に最大1300MBにアップです・・・・・・大元の光回線が200MBなのに(笑)

話は戻りますが、こうした出費を控えているだけに携帯の交換は痛かったのであります。

(3)幹事をします・・・・・・多分(笑)

私の参加するコミュのオフ会を福岡で、という話が出て、それなら幹事をしてくれということでお話が回ってきました。

ただ、福岡ですること、私が幹事を務めること、に関してのレスポンスは現在数名からしか来ておりませんので、承認以前に認知されているのかどうかも怪しい(爆)現時点では、東京大阪名古屋等他の都市、他の方の幹事で執り行われる可能性も十分あります。

正直、福岡は通勤で通っているだけだし、博多駅、中州、天神といった賑わったところの地理も店もさっぱりですが、正式に決まれば、それなりに・・・まぁその・・・・・・

(4)生活の中であった、ある意味どうでもいいこと

3週間ほど前の休日。

家でくつろいでいると、窓をどんどんと叩く音。

私、びびりまくりました。

というのも、その窓というのが崖の上に立っている我が家のまさに崖側の窓。

その窓を叩くには、家の中の者が行うか、崖をよじ登って来た者が・・・・・・いや、いま世の中物騒ですからね。私、びびりまくりながらおそるおそる窓を内側から覗いてみると・・・・・・

近所の野良ぬこが窓を叩いていました(爆)

一瞬、自分の視界の中で何が起こっているのか理解出来なかったですよ。

呆然と眺める私の視線に気づいたのか、ぬこはすぐに立ち去りましたが・・・・・・

ちなみにその野良ぬこ、以前も我が家の玄関前で腹を出して寝ていました(笑)

小説感想、本日第二弾(小説三編)

小説三編感想なり。
読書メーターの「読んだ本」リストを見ながら思い出しつつ書いているのですが、冊数にすると存外読んでいないものですね。
大抵、病院の待ち時間や通勤の電車内で読んでいることが多いんですけどね。

ハルさん(藤野恵美) ← 電子書籍

作者様はどうやら児童文学出身のよう。
その為か、文体も展開も優しげ。
ジャンル的に言えば日常系ミステリといっていいのでしょう。もう少し突っ込むと米澤穂信の古典部シリーズを緩くした感じといったところか。
もっと突っ込めば、加納朋子のささらさや (幻冬舎文庫)かと最初は思ったくらいだが(笑)
ささらさやと違うのは、主人公が男であること。
妻である瑠璃子さんを亡くした主人公晴彦ことハルさんが、悪戦苦闘しながらも一人娘の風里(ふうり)ことふうちゃんを育てる中で遭遇する「事件」を綴った作品集、それが「ハルさん」です。
そのひとつひとつの「事件」を、瑠璃子さんの魂に導かれながらハルさんは解いていくのですが、実は最大の謎解きは物語の終盤、ふうちゃんの結婚式でのこと。

ふうちゃんが結婚相手に選んだ男性、なぜ彼女は彼を愛するようになったのか?

その答えが、そこに到る彼女の成長の物語と見事に符合するのは見事。
そして、その答えはハルさんという一人の父親の生き様は決して間違っていなかったのだと、読者に教えてくれます。

こうして彼は屋上を燃やすことにした(カミツキ・レイニー) ← 電子書籍

ラノベです。
モチーフは「オズの魔法使い」
ただし、ファンタジーに非ず。
やや、というよりかなり歪んだ青春小説です。

ある日、屋上から飛び降りようとした女子高生、後にドロシーと呼ばれることになる加奈。
その屋上で彼女は、ライオン、カカシ、ブリキと出会う。

以後、彼女は
勇気のないライオン
知恵のないカカシ
心のないブリキ
三人の物語に付き合っていくことになる。
そして、三人の物語のつながりをドロシーが知った時・・・・・・タイトルの意味が明らかになるという仕掛けであります。
空の向こうの虹を追いかけて、原点のドロシー達は旅をしていきますが、この作品のドロシー達は「空」を追いかけていく中で虹を捕まえることが出来たのでしょうか?
その答えは「空」とドロシー達4人だけが知ることになるのでしょう。

夏の水の半魚人(前田司郎)

純文学です。
柄ではないのですが、タイトル買いです。
主人公は小学5年生。
帯で町田康が「小五脳」と言っていますが、まさにその通り(笑)
小五男子としての行動に「ああ、あるある」と思いつつ読み進めておりましたが、私いまひとつ理解していません(爆)
ただ、ヒロイン(?)の海子と主人公との関わり方を見ていると、転校生+女の子ということでちょっと意識してしまう主人公魚彦・・・・・・分かる、分かるぞお(笑)
小学生の時点で感じるエロティズムとか(初恋とはちょっと違う)色々と懐かしい感じを味わいましたよ。