表題作、何とか年内に見ることが出来ました。
内容に触れる前に、ふと気になったこと。
ディケイド+W以来、年末恒例となったMOVIE大戦。
昨年のW+オーズまでは、これ戦隊映画と抱き合わせだったんですよね。
それが、動員に自信がついたのか、少しでも上映時間を獲得するためか、今年からそれぞれ時期をずらして単独での上映となりました。
そうなると、上映時間が延びるため、内容にはさらに力を入れることが出来るというメリットはありますが、本来のターゲットであるべき子供達は二回劇場に足を運ぶことになるわけで・・・これは本当に良いことなのかな?と思った次第。
まぁ、両シリーズをたっぷり楽しみたい客層にはありがたいことではありましょうが。
いきなり興業形態にケチをつけるような書き出しでしたが、映画自体は割と満足できました。
良い意味でサービス精神溢れた内容でしたし。
映画の内容は、従来のMOVIE大戦と違い五部構成。
第一部・・・財団X対昭和ライダー(一号~ストロンガー)
第二部・・・仮面ライダーオーズ対仮面ライダーポセイドン
第三部・・・仮面ライダーW対財団X
第四部・・・仮面ライダーフォーゼ対財団X+ヴァルゴ・ゾディアーツ
第五部・・・フォーゼ+オーズ+昭和ライダー対財団X
財団Xの設定は、Wの頃に出てましたが、この作品で再びというところ。
考えてみれば、W最終回で財団幹部の持つモバイル端末にメダルが映っていました。あれ自体は、スタッフのお遊びであって伏線でも何でもなかったのですが、この映画でそれを伏線にしてしまった感じ。
また、オーズが初めて姿を見せたW劇場版「A to Z 運命のガイアメモリ」での台詞「ライダーは助け合いでしょ?」も、今回の映画の中で活かされていました。
このあたりは、遊びの部分もあったのでしょうが、なかなか心憎い仕掛けでありました。
どう伏線になって、どう台詞が活きていたのかは、映画をご覧になればわかります。
また、フォーゼのTV本編第二話で友子ちゃんが話していた「仮面ライダー=都市伝説」も。
というのは、どうも平成ライダーは、ディケイドを境目にして
ディケイド以前・・・各ライダーの戦う場所=パラレルワールド(平行世界)
であったのに対し
W以降・・・同一世界の各都市を舞台にした地続きのライダーワールド
というのがどうも、いまのW、オーズ、フォーゼの位置づけのようです。
なので、ディケイドのように「次元渡航能力」或いは「次元融合能力」のようなややこしい力を使わなくても、ちょっと足を伸ばせば、他の仮面ライダーに会えると(笑)
結果として、劇場版限定とはいえ、W、オーズ、フォーゼが顔を揃えられるわけで♪
にしても、多少展開を予想していたが、翔太郎と弦太郎が意気投合するところには笑ってしまった(笑)
何というか、似たもの同士というか、バカはバカを(以下自粛)
それにしても、今回のMOVIE大戦はかなりサービスが過剰と言っていいほど効いています。
第一部の昭和ライダーそろい踏みは言うまでもなく
オーズパート・・・各コンボ、フル使用。必殺技もタトバキック、プロミネンスアタック(タジャドル)、ガタキリバキックetcと大出血サービス。また、伊達さんと後藤さんのダブルバースも実現!!
Wパート・・・Wだけでなく、仮面ライダージョーカーまで登場。サイクロンジョーカー、エクストリームを含め各主要フォームと必殺技も登場
フォーゼパート・・・何と言っても仮面ライダーなでしこ(笑)TV未登場の幹部、乙女座と獅子座が登場。
まさに出し惜しみなし!!
特になでしこは、予想以上に可愛かった♪弦太郎じゃなくても、惚れるわ(笑)
ただ、なでしこの正体というのが・・・という奴でして、この部分を書くとネタバレになるし、ストーリー上も財団Xの目的にかなり重要なパーツとなっております。
あまりあれこれ書くと、なでしこについては色々と差し障りがあるので、これくらいで・・・
この映画では、多くの怪人が出てきますが、それ以上に忘れてはいけないのが、「戦闘員」
Wにおける「マスカレイド・ドーパント」であり、オーズにおける「くずヤミー」であり、フォーゼにおける「ダスタード(幹部=ホロスコープスの分身)」
このあたりの、平成ライダーにおける戦闘員の復権は、おそらくディケイドの大ショッカーかWのマスカレイドあたりが原点だとは思いますが、やはり戦闘員が絡むとアクションの幅が広がります。
何と言っても、変身前の生身で戦うヒーローの姿が見れるのですから。
演じる方は、大変でしょうが・・・
そう、劇場版ならではの、大がかりなアクションシーンが盛りだくさんであります。
ちょうど、この映画を見る前に仮面ライダーをつくった男たち 1971・2011 (KCデラックス)を見たこともあり、そんなことも考えながら見ていたのでした。
映画の感想からは離れますが、かつての大野剣友会の魂は、立派にJAEに引き継がれていると思いますよ。
劇中、アクセントを加えていた存在として忘れてはいけないのが、悪役の方々。
特に益岡徹!!
あの悪人顔は、なかなかに芸達者さん♪
何というか、インテリヤクザというか、狂気と野望を秘めた知性派凶悪犯というか、そういう役柄もうまい人なんですね♪
さらには、ダンテ・カーヴァー(SBのCMの人)や人見早苗(シンケンピンクの中の人)
ただ、ダンテ・カーヴァーの怪人姿ははっきり分ったが、人見早苗は何に変身したんだっけ?
仮面ライダーなでしこの中の人?・・・いや、それはまた別の話だ(笑)
今回の劇場版で出てきた特別なフォーム
オーズのスーパータトバコンボ
フォーゼのロケットスティツ
このうち、オーズは劇場版限定というのは分るのだが、フォーゼはどうなのだろう?
現在進行形で展開しているライダーの場合、オーズのブラカワニコンボを例外として、たいていの場合、やや遅れた形であれ、新フォームはテレビでもお披露目となるのだが……
ただ、あれは「なでしこ」の設定があって、初めて実現できるフォームだしなぁ……
何とか、脚本サイドの工夫で、劇場版を見れなかった子供達の為にも、テレビでの登場を期待したいところ。
最後に映画の内容そのものに対しての不満点をひとつだけ。
昭和ライダーが、オーズ+フォーゼに助けられるというのは、ちょっと引っかかった。これ、本来は逆であるべきでは?とは、昭和を知るジジイの戯れ言か?
本当の最後(笑)
仮面ライダーポセイドンとアクアは、四十年後の未来から来たとなっていたが、今年でライダー四十周年であることと掛けた設定なのでしょうね。
つまり、四十年続いたライダーの物語は、四十年後の未来も続いているという願いとともに……