夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦) ← 電子書籍
森見登美彦二冊目。
世界観としては、「四畳半神話体系」と共通する。
やはりあの作品と同じく京都を舞台とし、やはり京都の大学(恐らくは京大?)に通う二人の学生が主人公。
二人の「私」
黒髪の乙女の「私」と
彼女を慕う先輩であるところの「私」
酒が飲みたくなったといい、夜の町に繰り出す乙女を追い、同じく夜の町に繰り出す先輩。
これを始まりとして、不思議でおまぬけで素敵なお話がスタートします。
はっきり言いましょう。
今年(2013年)に入って読んだ小説では、一番面白かった♪
これは「四畳半」を先に読んでいたことが大きかったのでしょうね。
登録している読書メーターでは、こういうコメントを私は残してました。
偽電気ブラン注入120%、ロマンティックエンジン始動!いま酩酊空間を抜け、目指せ風雲偏屈城!風邪ひき達をなぎ倒し、進め、プリンセスダルマ!繰り出せ、おともだちパンチ!見逃せ、春画蒐集
↑原文ママ
とにかく、乙女の行動がいちいち面白く可愛い。
そして、それを追いかけ、彼女の視界に少しでも入り込む「ナカメ作戦」を敢行する先輩がとにかくいじましい。
ああ、この素直さは「四畳半」の私や小津にはなかったものだなぁ(笑)
四畳半世界からは、樋口師匠と羽貫さんが登場。
相変わらずカオスな世界を彩ってくれます。
樋口師匠も羽貫さんも日本にいることを考えると、時間軸としては「四畳半」の前ですね。
となると、この物語の時、あの「私」も小津も明石さんもまだ高校生か。
最後は、「四畳半」と同じくハッピーエンドを臭わせた終わり方でありますが、この二人の「私」ならば素直に祝福できる。