さて、怖くない怪談、ようやく最終局面に近づいてきました。
で、その前にブログらしく日常の話など・・・
本日、クリーニングの受取りついでに書店にて「乙嫁語り」三巻を入手
中央アジアを舞台にした物語。
執拗なまでに描写し尽くされた背景と装飾の数々・・・何よりもキャラクターが愛すべき人物揃い。
創作者を自認する以上、愛されるキャラを何とか生み出したいものですね。
一方で最近「Zガンダム」を見直しまして・・・
いや、お付き合いのある某氏と、シャア=ダメ人間説で盛り上がったことがあったのですが(笑)
あのシリーズの主役級キャラ、特にパイロット組って、結構「有能なダメ人間」が多いのでは?とか
ただ、アムロやシャアは、自分がダメ人間であることを自覚している節があるのですがね。
実際、シャアはシリーズ通して「道化を演じている」といった台詞をよく呟いていますし。
で、ここまで語ったわけはですね・・・・・・
パプティマス・シロッコって、極めつけに自分が道化である自覚がないなと(笑)
アムロやシャアに迷いが多いように見えるのは、見方を変えれば、自分が矢面に立つことは道化を演じることにしかならない。
だから、彼らは「逆襲のシャア」まで表舞台からは身を退いていたという見方をすればですよ・・・
彼らよりも(恐らくは)能力の劣るシロッコが無自覚に道化を演じている様は、哀れを誘うものがあるなと・・・
かなり暴走気味に妄想を働かせつつ見ていると、シロッコが哀れなキャラにも思えてくる不思議。
で、ちょっと興味を持ったのは・・・
Zのあの世界で、アムロとシャアが本気になったとしたら、シロッコはどういうポジションに落ち着くのだろうかと
ダラダラした話が続きましたが、「怖くない怪談」続きです。
13号や美咲は無論のこと、今作の美月や周のこと、少しでもかわいがって頂けると、とても嬉しい♪
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「じゃあ、何で、怪談なんか?」
と島崎、志賀、谷村の三人が声を揃えるのに、美月は顔を真っ赤にしてうつむく。
「いや、その……たまには、ちょっと違う内容で記事を組もうかなって……」
美月がそう言うのに、
「だからって、自分が駄目なものを……柏崎さん、また、思いつきだけで突っ走ったでしょう?」
谷村の詩的はあまりにも図星過ぎて、美月は何も言い返せない。
「あなたって、行動力はあるけれど……もう少し、考えてから動く習慣を身につけなさい」
「はい……」
思いもよらぬ形で説教を受けることになった美月は、素直に頭を下げつつも納得がいかない顔。幸い、その表情は顔を伏せていたために、教師達からは見えなかったが……
そうしたやりとりが美月と谷村の間でかわされている間に、先程まで流れていたピアノの音がぴたりとやんだ。
「おや?」と島崎。「さすがに今日はもう練習は打ち止めかな?」
「天才は気まぐれということですかね?」
志賀がそう軽口を叩くのに、美月だけは顔をしかめる。そして、彼女は音楽室から聞こえるピアノの音、周が奏でるピアノが最後に響かせた一音にイヤと言うほど、聞き覚えがあったのだった。
「そうですね。打ち止めです……」
誰に問われることもなく美月は呟く。
「練習はもう終わり。多分、これから本気の演奏が始まります」
美月の言う意味が一瞬理解出来なかったのだろう。教師達は一様に顔を見合わせる。
「それと志賀先生」
唖然とする一同の中、美月は教師の一人、志賀を見据え
「あいつを……周を……真田君のことを“天才”の一言で済ませるのはやめて下さい」
「え?」
再度呆然とする一同。
「ちょっと、美月、やめなさいってば」
異変を察した優子が後ろから腕を引くが、それを振り払い、美月は顔を上げ、意を決して声を上げた。
「“天才”ってことだけで済まされたら……あいつの頑張りが可哀想すぎます!」
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