ところでこのお話の登場人物の名前、美月と周だけは意味があったりなかったり……
あと、私はやっぱり「会話劇」という進め方が好きなんだなと再認識。これも若い頃、落語に関わったせいかいな?(笑)
落語といえば、最近志ん朝師匠のDVDを見まして、やっぱり良いですな♪
しかし、最近
・落語
・ほむほむ
・イカちゃん
・小説
etc
と我ながら手を広げすぎだ(笑)
仕事が忙しくなってくると、逃避する先が増えて困るぜ(爆)
この「怖くない怪談(目標)」も、クラシックの「きらきら星変奏曲」をモチーフにしているが、クラシック曲をモチーフに江戸時代の長屋を舞台にした話って作れないかな?とも・・・
分る人だけ分ればいいが(最近、この種の書き方多いなw)落語の「たらちね」みたいなやつ♪
「たらちね」を知らない人は、ぐぐ(略
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「そういえば……」
ただし、その沈黙も長くは続かず、再び優子が口を開く。
「真田君、いま音楽室、一人なのかな?」
「そうじゃない?あいつくらいになると、いちいち先生がついていること、逆に少ないし……」
「よく一人で音楽室に籠もっていられるよね」
「あいつの場合は、音楽やピアノが好きだから……」
「そうじゃなくて!」
「?」
「音楽室に一人で居て、怖くないのかな?ってこと」
「どういうこと?」
「音楽室ってさ、よく学校の怪談とか、七不思議とかあるじゃない?」
「あー!」
優子の意図を察し、美月は声をあげた。
「あるね。ベートーヴェンの肖像画の視線が変わっているとか、夜中になったらピアノの音がするとか……」
「でしょう?あたし、そういうの、すぐ想像しちゃうんだ」
「あーあ、おもしろ半分の噂に振り回されおって……」
「あんたが言うか……」
「でも、そういうのを追いかけるのも面白いかもね。みんな興味を持つかも」
「ちょっと待て!あんた、さっき何て言った?」
優子の抗議を聞き流しつつ、美月はノートを広げると白紙のページに、三人ほどの人の名前を列記する。
「谷村、志賀、島崎……何、これ先生の名前じゃない?」
「志賀先生と島崎先生は、この学校に長くいる先生。で、谷村先生はこの小学校の卒業生」
「谷村先生って、そうなんだ」
「担任でもあるし、聞きやすいのは谷村先生かな?この中じゃ一番若いし、何しろ女の先生だし」
「聞くって……まさか……」
「そう、学校の怪談」
「本気なの?」
「勿論」
美月の返答を聞くや、優子は大きくため息をつく。
「まぁ、あんた、行動力だけはあるから本当に何か聞き出しちゃうんでしょうけど……よくやるよね」
「何が?」
「あんた、怖い話全然ダメじゃない。へたれの癖に、そういう話が好きなんて……」
「ヘタレって言うな!」
「あたしが言いたいのは、性格が面倒くさいってこと……」
「うるっさい!とにかく行くよ」
「職員室に?」
「ほかにどこに?……あ、ついでに音楽室にも行ってみるか?周のやつ、音楽室に入り浸っているから、あんたがさっき言っていた音楽室にまつわる話、何か知っているかも」
「それだけ?」
周の名前を自分から出した美月に優子は興味深げな視線を投げる。
「そ・れ・だ・け!行くよ!」
「はい、はい」
一人早歩きで先を行こうとする美月の後を、優子は仕方ないといった体で頷きながらついて行った。
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