「備忘録」で控えたアイディア、形にすると、こんな出足か?
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今日は街中で、何だか大きな事件があったらしい。
街中でのことは、あたしは「らしい」と言うしかありません。
だって、街中なんて「外」のことはあたしには良く分らないから・・・・・・
それでもあたしがそれを知っているのは、新聞やテレビのニュースから・・・・・・ではなくて、あたしが入院している病院に救急車が何度も来たからなのと、そのことで看護婦さんたちや他の入院患者の人達の話を聞いたから。
だから、いまのあたしはこの病院で起こったことを通じてそうしたことを知るだけの生活をしています。
でも、この病院の中はよく知っているし、お空の星のことなら少しくらいは知っています。
星のことは知っているというよりも、好きと言った方がいいかな?
天文学とかそういう難しいことは良く分らないからです。
だけど、夜空に光る星座のことくらいなら、少しは言いあてられます。だから、去年のキャンプの時にはみんなに「凄いね」って、褒めてもらいました。
去年のキャンプは楽しかったけれども・・・・・・今年はキャンプには行けません。
お父さんは、元気になったら望遠鏡を持って星見に行こうと言ってくれますが、多分あたしはもう行くことはないと思います。
だから・・・・・・
あたしは、夜、こっそりと病院の屋上に上がって星を見ます。
看護婦さん達が夜見周りに来る時間は分っているし、その間の時間を使えば、ちょっと屋上に上がるくらいのことは出来ます。これも、あたしがここに長く入院しているからこそ、出来ることなんだと思います。
あたしは、いつものように屋上へ続く階段を上がります。
この階段を上がるのも、日に日に辛く感じるようになってきました。
あたしのポンコツな体は、ますますポンコツになっているようです。それがあたしには悔しいし腹立たしいし、凄く悲しい。
階段を登り切り、少し息を切らせながら屋上に出ると、もう五月も終わりがけだというのに風は少し肌寒く感じられました。
屋上には何本ものロープが張り巡らされ、病院で使うシーツやタオルが干されていました。
そのロープの遥か上・・・・・・
「デネブ、アルタイル、ベガ・・・・・・凄い、もう“夏の大三角”が見える!今年は早いのかな」
今日は天気がいいのでしょう。
いつもよりもはっきりと星が見えます。
こと座、はくちょう座・・・・・・
夜空の星々はキラキラとして、ほとんど毎日のようにみているあたしも一瞬目を奪われます。
他に誰もいない、あたしだけの時間。
いつもなら、その筈でした。
でも・・・・・・
「やあ、いい夜だね」
その夜は、他に先客がいました。
「星が好きなのかい?なら、僕と同じだね」
突然声をかけられたあたしはびっくりしましたが、次にその声の人を見た時、もっと驚かされることになりました。
その人は男の人、それもいままであたしが見たこともないくらいに奇麗な人でした。
「今日はいい夜だ」
その奇麗な人があたしに話しかけましたが、あたしはびっくりして何も答えられませんでした。
「こういう夜は、何かが生まれる、そんな気がしないかい?」
あたしには、この奇麗な人が何を言っているのか分りませんでした。そもそも、どうしてこの人はここにいるんでしょう。お医者さんには見えないのだけれど。
「僕の名前は“ケルビム”。君は?」
「一条美咲・・・・・・です」
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主人公の名前は変更の可能性あり
年齢もいくつにしようかと(汗 多分、小6か中一
記述スタイル、一人称形式が相応しいかどうかも思案中。
・・・作れるのか?
いや、以前書いた緑川サチ子供時代を描いた番外編「Memorial Apricot Pie」も、一度頓挫して一年後にちゃんと(?)形にできたんだ。これも・・・って、それじゃ締め切りに間に合わんだろう(爆)
さて、次に彼女と立花和也の接点を作らなくてはいけないわけだが・・・もう、いっそ和也が実はロリってことで手を打つかwww(色々台無し)