さて、そろそろ真剣にオフ会の日程だけでも決めておきたいのだが・・・・・・とりあえず、メニューだけは焼き肉で決まりのようだ(笑)
樋口有介作品二つ
不良少女(樋口有介) → 電子書籍
樋口作品、とりわけ柚木草平シリーズはやるせない物語が多い。
これもそんな作品にして、短編集にして、柚木草平シリーズ七作目。
収録作品は5篇。
表題作の「不良少女」は、柚木が行きずりに知り合うことになった少女小鳥遊ユカにまつわる事件。
このお話で、私は「小鳥遊」がなぜ「たかなし」と読むのか、理由を知りました(笑)
しかし、この名字、ラノベやコミックでは割と好んで使われるが、実際には国内に数世帯しかいない希少な名前じゃなかったか?
ただ、タイトルこそ「不良少女」だが、闇を抱えている女性というには、同書収録の他作品(「秋の手紙」「薔薇虫」「スペインの海」)のヒロインに比べれば、小鳥遊ユカは実にピュアではある。「不良」ではないが、「秋の手紙」のヒロイン沢井菜穂美あたりの方が女としてのずるさを遺憾なく発揮しているのだから。
ひょっとしたら、小鳥遊ユカの純真さはシリーズヒロイン中でも「刺青白書」の綾女に匹敵するレベルなのかもしれない。
窓の外には向日葵の畑(樋口有介) ← 電子書籍
著者デビュー作である「僕と僕らの夏」を彷彿とさせる設定。
夏休み、美人教師、学園の闇、父親と二人暮らしの主人公、そしてとぼけた外見と言動とは相反して鋭い分析力を有する父と子。
このあたりは、デビュー作を踏襲している。
これにさらに生意気な後輩女子とあこがれの先輩女子を加え、さらに幼なじみの幽霊というファンタジー要素もブレンド。
設定と扱われるキャラクターだけをとれば、ラノベにも十分転用可能なのに、しっかりと文学しているのはさすがの文章力。
ハッキリ言って、現時点では樋口作品の中では一番好きですよ。
解説にも書かれていたが、まさにデビュー作のアップデート作品。
中盤、主人公に接近する紅亜に嫉妬する真夏と
終盤、先輩女子の明日奈に嫉妬する紅亜
が可愛くて仕方ない(笑)
そして、最後の最後に作者が用意した仕掛けには思わずにんまり・・・・・・主人公は複雑きわまりない心境であったろう。
さて、彼、青葉茂の恋愛感情は、紅亜に向けられるのか、それとも真夏に向けられるのか・・・・・・結果は同じなんだけどね(笑)