かなり長いこと感想書きをサボっていたので、たまり方が凄いことになっている・・・が、すこしづづ片付けていこう。
ところで、6月のエントリって、これ以前は一つしかあげていないのですな(^^ゞ
少しずつサボっていた分を取り戻しますです、はい。
まずは小説感想三つ。
明日の空(貫井徳郎) ← 電子書籍
読書メーターで読友さん達がやたら褒めていたので、気になって読んでみました。
ジャンル的には青春小説と言うことになり、善意の連鎖を描いた物語ということになるのでしょう。
ミステリーと言えないこともないが、叙述トリックとしてみればいささかずるい(笑)
物語は三つのパートに分かれていて、三番目の物語で全ての謎が明らかになるというもの。
そのオチに込められたメッセージは、比較的まともというと語弊があるが、ごく当たり前のもの。しかし、現実の生活ではその当たり前のことが実は難しかったりする。
早い話、差別意識と向き合うことと、与えられた善意を他の誰かに善意で繋いでいくこと。
言葉にすれば単純だが、これ結構難しいことだと思いますよ。
ただ、作中二人の主人公、山崎をそれを実践したし、栄美はそれをなす覚悟をもってこれから生きていくのでしょう。
地球最後の野良猫(ジョン・ブレイク)
ぬこ好きによるぬこ好きの為のぬこSF小説(笑)
・・・と書くと「猫の地球儀」を連想する人がいるかもしれないが、こちらはあくまでも人間視点。
近未来、猫の飼育が厳しく規制された世界。
主人公の女子高生ジェイドは、ふとしたことから登録されていない猫=野良猫のフィーラを飼うことになり、以後それが発覚、追われる身に。
フィーラの存在が発覚後は、逃走、恋愛とめまぐるしいドラマが展開されますが、肝心のフィーラはマイペース(笑)まぁ、猫だから。
ただ、物語世界において、猫が厳しく規制されている背景が「猫インフル」か・・・・・・設定としてはやや弱いかなと・・・・・・
SFとしてみれば、割とライトと言っていいでしょう。
有頂天家族(森見登美彦) ← 電子書籍
森見登美彦三冊目~~
皆さん、たぬきですよ、たぬき!!
ぽんぽこですよ、化けるんですよ。
京都を舞台にした作品。
そこで暮らす狸、天狗、人間達のお話。
狸たちの「阿呆の血」ゆえの騒ぎっぷりがいいです(笑)
森見さんはやはり天才ですね、どこをどう考えれば、こういう構想が出てくるのやら。
主人公である矢三郎を中心とした下鴨家たぬき一同により、宿敵であり叔父である夷川早雲に打ち勝つまでの一大エンタメ・・・だが、阿呆だ。
とにかく、狸たちが面白く、赤玉先生が面倒くさく(笑)、人間代表である金曜倶楽部の面々がわけが分からない。
一番わけが分からないのは、勿論弁天様ですが・・・過去読んだ森見作品のヒロイン、四畳半の明石さんだったり、夜は短しの「私」あたりに比べるとかなり複雑怪奇なキャラクター、ひょっとしたら森見流峰不二子?
京都は魔都というが、この森見ワールドでは狸だの天狗だのが普通に市井に紛れて暮らしており、人外が住むには心地よい世界のようです。
ところで「有頂天家族」もアニメ化ということで、公式サイトによると、残念ながらこちら福岡では放送してくれないようですが、バンダイチャンネルでの配信はあるようなので楽しみにしております。