例の奴の下書き、徐々に進行。
正式な奴には色々と手直しが入るかも、だが、基本線としては、スズカという名の少女一人だけの世界。
病気前に比べると、書くスピードは大幅にダウンもいいところだが、これひとつでも仕上げれば、多少は勘が戻るかと淡い期待をしております。
それにしても、いまはプリキュアの黄色とAnotherの鳴が可愛すぎて、生きていくの辛い……
というほどもこともないが
やはり、カワイイは正義だよな(笑)
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「この船は、大勢の人達を乗せていたので、その管理業務はとても大切な仕事でした。その仕事に携わっている人達は長時間拘束されることも珍しくなく、必然的にその生活環境も快適性を重視して作られたのです」
だから、森があって、庭があって、ふかふかのベッド(いまは私の部屋にあります)があるのだとコリンは言います。
でも「大切な仕事」か……私一人で大丈夫かな……
コリンの話を聞いて、私はちょっと怖くなりました。
だって、私はまだ子供でチビで……あまり言いたくないけれど、泣き虫だから……でも、コリンは言います。
「いまは、スズカ、あなたが“船長”であり、“司令官”です」
だから、色々なことを勉強しなければいけないと、コリンは言います。
私が船長で司令官……でも、この船の乗客は、少なくとも人間の乗客もまた私だけなのです。
本当なら、船を動かす人と船に乗っている人達とを隔てる壁の役を担っている扉が開き、私はゴンザの背中に掴まったまま、いままでいた場所以上に視界の開けた空間へと移動していきました。移動している中で
初めて入った場所――コリンはそこを「居住ブロック」と呼んでいました――と私がいままで過ごしてきた場所――「管制ブロック」というのだそうです――を隔てる扉は、とても厚くて頑丈そうでした。後でコリンに聞いてみたら、実際にこの船に使われている扉の中では一二を争う頑丈さとかで、そういう頑丈な扉で仕切っている理由は、居住ブロックの人達が仮に暴れても(暴動とか叛乱とか言うのだそうです)、船の管制に影響が出ないようにするためなのだそうです。
「管制ブロックは、この船の最高意志決定機関です。それは絶対に守られなければならないものです。故にいまは、スズカ、あなたこそ、私達がいかなる手段を用いてでも守らなければいけない存在なのです。とはいえ、日々注意深く過ごすことは忘れぬよう」
コリンがそう言った時、ゴンザも横で大きく頷いてくれました。
でも、いまは暴動とか叛乱とか起こす人はいない……というより、人間は私しかいないんだから、そんなに用心することはないと思うんだけれど。
ゴンザに連れられた私が扉を抜けて目にしたのは、いままでいた場所に比べても遥かに視界の開けた平原でした。
船の中なのに平原?と、もしも私が書いたこの記録を読む人がいたのなら、不思議に思うかもしれませんが、私がそこに見たのは、本や電子データで見た「平原」そのままの景色でした。
遠くに森らしき樹木の塊が見える他は、建物ひとつない平原。
それも、キレイに整地されたデコボコのない、本当に平らな地面だけの世界。
もともと、この「居住ブロック」は、何万人もの人達を収容可能な、広大な空間なのだそうです。
だから、この居住ブロックは、本当なら人が住む家やいろんな人達が働く仕事場を詰め込んだビルという高い建物があったのだけれど、人間が私一人になってから、コリンがロボット達に命令して全部片付けさせたそうです。
「どうして?勿体ないよ」
そのことを知った私が抗議すると
「家屋や建物の維持にも、船内の管理リソースを割かれます。現在の私達にとっての最優先事項は、スズカ、あなたの生命維持であり、健康であり、教育なのです」
だから、現状、維持する必要のない施設は極力排除する必要があるとコリンは言います。
住む人がいないから、家をなくしてしまう。
使う人がいないから、建物をなくしてしまう。
それが、コリンの考え方、機械の考え方なのかもしれません。
「でも……」と私はコリンに尋ねました。「また住む人がいっぱいになったら、家や建物を造ってくれるの?」
「勿論。その必要が生じ、スズカ、あなたが望むのであれば、私達はいつでもこの船の中にあった町を再建いたします」
コリンは、機械だから融通が利かなかったり、もの凄く割り切った考え方をしたりしますが、嘘だけは言いません。だから、住む人が出てくればまた町を作るという言葉は、約束として守ってくれると私は思います。
だから、私はまたこの船にいっぱいの人達が住んでくれるように頑張ろうと思いました。
でも、どうすれば、この船をまた人でいっぱいに出来るんだろう?
そういうことを考えていて、私はふとあることが気になりました。
それは、どうしてこの船には私しかいないのか?ということです。
これは、別にこの時になって気がついたと言うより、ずっと前から気になっていたことでもありました。でも、コリンはずっと「いずれ教えるから」と言って、その答えを私に教えてくれませんでした。でも、いまなら教えてくれるかも……そう思った私が、改めて尋ねると、コリンはゴンザに私を降ろすように言い、「少し長い話になりますよ」と前置きをしてから、この船に私以外の人間がいない理由を教えてくれました。
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意味のないおまけ(爆)
あざとイエロー(笑)