以前のエントリの続き。
私はどうも本筋とは関係ないところで、文章容量を増やしてしまう癖があるな(笑
ある意味、どうでもいいことにエネルギーを費やすというか・・・いや、こういう地味な部分が好きなだけなんですが(爆)
###########################################
店舗兼住宅である彼女の住まい、「グリーンリバー」。
緑川サチは、そこまで辿り着くと、そのまま店に入ることはせず、隣の店との隙間のような路地から裏手に回り込む。
店舗の出入り口は確かに正面ではあるが、住居部分の出入り口は裏手にあるのだ。そこは同時に従業員専用の出入り口なのだ。ただ、従業員とは言っても、奥の厨房で働く職人一人きりしかいない従業員ではあるが。
正面の真新しいガラス製の扉とは対照的に古ぼけた木製のドアをくぐった彼女は、開口一番
「岡部さん、頼まれたパン、買ってきたよ。」
保護者の名前を呼ぶ。
「ああ、サチ、ご苦労さん。テーブルの上に置いていてちょうだい。あんた、先に食べな。」
住居部分から見れば裏手、店の方から壮年の女性の声が返ってきた。
「わかった。」
サチはそう返事をすると、パンを手に取ろうとしたが、ふとその手を止め、先ほど神社の境内で拾った円盤を抱えたまま、小走りに階段を上り自分の部屋へ。そして、部屋にある自分専用の机の上に、その円盤を置くとまた階下へ。冷蔵庫から牛乳を取り出すと、自分が買ってきたパン屋の袋から、お気に入りの「焼きそばパン」を取り出し、少し早めの昼食を取り始めた。
「おいしい……。」
とてもそう思っているとは思えない淡々とした表情と口調でそう口にすると、あっという間に手にした焼きそばパンを食べ終わり、その小さな手は再びパン屋の袋にと伸びる。
手にしたのはまたしても焼きそばパン。
その二つめの焼きそばパンもあっという間に食べ終わり、その手は三つ目の焼きそばパンに。
結局、計五つのパン、それも焼きそばパンばかりを立て続けにその小さな体に納めた彼女は、今更ながらに牛乳を飲み干すと、店舗と住居との仕切りにもなっている開き戸を開け、彼女の保護者にして同居人である岡部さんと入れ替わりにレジに立った。
店の中には、客が四,五人というところか。
彼女の服装とその小さな体は、いやでも大人達の関心を引くのだろう。
店の中にいた客の視線は一斉にこの入れ替わりに現れた小さな店員に集中し、ガラス張りの店の外でも、通りを歩く人が彼女の姿を目にとめるなり立ち止まる。
神社の境内で見せた彼女の身体能力は、感覚器官にも及ぶ。だから、そうした人々の小声での囁きですらその耳には届く為、彼女は店の中ではかなり緊張していた。
やがて、カランと自動扉につけられたベルの音が響き、通りからまた新しい客が店の中に入ってきた。
「い、いらっしゃいませ……。」
今度はさすがに緊張しているのが傍目にも分る固い表情で、その客に対し彼女はお辞儀する。
晴れた日の日曜日、洋菓子店グリーンリバーは、今日もお客で賑わっていた。
##################################################
自分にプレッシャーをかける意味でも、部分公開(笑
いつ完成するかは、自分でも分らない。
どういう話になるかも手探り・・・基本的には「ご近所SF」の世界のお話
・・・・・・さて、本筋(13 plus ZERO)の方も、進めないとな。
あちらは、一気にアクション路線モード突入だが・・・・・・