とりあえず、今回はプチX篇
前回のソニックプレッシャー発動後のエピは、次回アップ分にて。
いままでのお話は、こちら→Memorial Apricot Pie
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一方、蛾の特性を持つ改造人間であるスケールに行く手を阻まれていたXライダーこと、神敬介。
彼は、スケールの攻撃を交わしながらも、その動きをじっと追っていた。
そして、スケールの高度がやや下がりつつあるところを見計らうと
「ライドルロープ!」
手にしていた万能武器ライドルの赤いグリップのボタンを押すと、棒状だったライドルの形状は長いロープに。
そのロープを、鞭をふるう要領でスケールの足元めがけ振るった。
「何だと!?」
狙いすましたその一閃は、スケールの足首に巻きつき、敬介はそれと同時に地を蹴った。
「おのれ!」
自身の足元に巻きついたそのロープを振り払おうとするスケールであるが、その動作を同じく空中に身を置く敬介は許さない。
自分とスケールとを結ぶロープを強く引き、敬介はスケールとの距離を縮めつつ、一旦落下。そこから、もう一度、先ほどよりもさらに強く地を蹴り、今度はよりスケールとの間を詰め、一気にスケールの背に迫り、叫びつつの飛び蹴りを一閃。
「エックスキーック!!」
悲鳴を上げながら、落下するスケール。
地に落ちたスケールを見て、敬介はさらにもう一度ジャンプ。
今度は、ジャンプの最高高度で一旦大きく手足を伸ばし、Xライダーの名の通り、Xを連想させる体制に。そこから空中回転しながら、姿勢を整えつつ再度の飛び蹴り。
「エックスキーック!!」
結果としての二段蹴り。
深海開発用改造人間、カイゾーグとして、深海の圧力にも耐える強化されたその人工骨格と人工筋肉の生み出すパワー、そのパワーを集約した敬介の蹴りは、スケールの体を簡単に砕いた。
断末魔の声を上げる間もなく絶命するスケール。
その蛾の特性をもった改造人間の肉体は、すぐに白い泡につつまれ、跡形もなく消え去った。
スケールの最後を見届けた敬介は、落ちていた自分の武器、ライドルを再びベルトに収納すると、
「茂……。」
と呟き、サチ、綾子、清崎、そして、城茂とスパイン、シザースがいる脇の通りへと急いだ。
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