割と最近のこと
利用している紀伊国屋のkinoppyで長谷川裕一「マップス」の全巻セットがあったので一気にDLして、久しぶりに通しで読んでみた。
・・・ハマッタww
いや、面白いです。
何が凄いって、ストーリー構成が凄い。
めちゃめちゃ風呂敷広げまくりながら、ちゃんと畳んでいるんだもの。
で、その後、「ダイソード」「炎伝」「クロノアイズ」「クロスボーンガンダムゴースト」と続けて電子書籍で読みました。
風呂敷広げまくり→ちゃんと畳む、というのは、この作者様、とにかく一貫しているんですね。
ストーリーテラーとしての能力が半端ないです。
マップスとクロスボーンに関しては、以前通しで読んだことあるのですが、改めて読むとその能力がひしひしと分かる。
特にマップスに至っては、まさにワイドスクリーンバロック。
で、ついついマップスのこういうのをアマゾンさんに頼んじゃいましたw
トリビュート作品集というべきでしょうか。
個人的には、小川一水か冲方丁か野尻抱介あたりのマップスが読みたいw
まだ読んでおりませんので、読了して気が向いたら感想をどこかであげます。
マップス、ニコではありますが、こういうのがあります。
アニメ版、主題歌の作詞は作者様ご自身とのことだが、それだけに作品世界を見事に反映した神曲でした。本編内容は・・・コメント欄でお察し下さい。
長谷川裕一のオリジナル作品は基本的に長いのですが(作家としては長編型だと思う)、あえてお勧めするのは「轟世剣ダイ・ソード」
電子版では全4巻と長谷川作品の中では短い方ですが、エッセンスはぎっしり。
この方って、ご本人には失礼ながらもジャンプ、マガジンなどのビッグメジャーでの活躍こそないものの、SFストーリーテラーとしてのクールさと少年漫画ならでの「熱さ」を併せ持っているんですよね。
で、その熱さの根っこというのは、「人が人に、命が命に、してはならないことをする」ことに対する憤りだと思うのですよ。
それがことに顕著になるのが、比較的近作にあたる「機動戦士クロスボーンガンダムゴースト」3~4巻にて、主人公フォントと後に愛機となるファントムがザンスカール帝国(Vガンダムの敵勢力)が無関係な幼い子供たちをギロチンにかける暴挙に立ち向かうシーン。
怯える子供達のギロチンの順番を
「”どれ”でもいいからさっさとやってしまえ」
と言ってのけ、泣き叫ぶ小さな女の子を抱えあげるザンスカール兵
いざギロチンとなった時、怯える男の子に
「こいつ小便ちびってやがるぜ」と笑いものにする、この一連の容赦のない悪の描写
それに対するフォントの台詞
「善だの悪だの問う前に人が…人に、こんなことをしていいわけがないんだ!」
そして、ビームの炎を纏い咆哮をあげながら起動する未完成MSファントム
このあたりは、長谷川節の真骨頂であり、少年漫画のエッセンスが詰まってました。
絵柄的に好き嫌いがはっきり分かれる作家さんだとはよく言われます。
実を言うと、私も抵抗がないだけで、好きな画風とは言いがたいところがあるが、そのストーリーテラーの部分と萌えならぬ”燃え”の描写が再び気になり始めた作家さんです。
ところでゴーストの主人公=フォントは工学系のオタクということで本家の主人公達の中ではアムロが一番近いタイプですが、フォントの場合はニュータイプではないということ ← 前作主人公のトピアが明言
ゴーストといえば、こういうのを見つけました。