感想まとめ 映画二篇
原作はどうやら青春小説の傑作という扱いらしい。
確かに面白い小説だったけど。いや、文章書きの視点からすると「うまい」小説という方が正しい。
描かれている物語は、本当に何気ない日常の積み重ね。
ある程度歳を重ね、社会に揉まれ、家族や仕事、人間関係の中で苦闘する中、ふと思い出す若い日のこと。
そこにいる「あいつ」、それが横道世之介。
誰にとっても、横道世之介はいて、それは必ずしも「一人」とは限らないかもしれない。
ひょっとしたら、自分自身が、他の誰かにとっての「横道世之介」かもしれない。
横道世之介とは、そうした者達の代表者なのかもしれません。
という堅い感想はおいておいて(笑)
とにかく、吉高由里子演じる祥子ちゃんが可愛くって仕方ない(爆)
音楽とは、音楽家が残した「手紙」(作中より)
ならば、音楽は演奏家の技量により、解釈により、様々に形を変えつつも継承され続ける芸術なのかもしれない。
そして、「手紙」である以上は、それは誰かにむけたもの。「宛先」があるメッセージ。
音楽家は意識的にせよ、無意識的にせよ、その手紙を未来に向かって投函しているわけだが、では、演奏家達はどうなんだろう?
この映画は、その「宛先」を求めた音楽のお話であり、くすぶっていた一人の少女の才能が開花する物語でもあると。
正直、この映画がみつけた「宛先」については賛否が分かれる部分があるのでしょうが・・・・・・
石川県の能登半島で、素朴な漁村風景を舞台にして紡がれるこの映画、残念なことに私が劇場に足を運んだとき、お客さんは私を含めて三人しかいませんでした(爆)
でも、私的には、蟹江敬三と篠井英介、両ベテランの絡みが見れたので、俺得(笑)
あと、前田吟においしい台詞を与えすぎ(爆)
上映されている劇場数は少ないだろうし、レンタルに並ぶかどうかも怪しい小規模作品なのですが、機会があればご覧になることをお薦めします。