うむ・・・こんな感じだろうか?
13号ちゃんプロジェクト内小娘プロジェクト 第二章「夏」
その出だし。
いま(2011/08/13)病院で資料がないのが痛いが、本アップの際には数学の例題のひとつくらい付けておきたい。
環境的に主力PCが触れないため、HTML化が面倒なこと、FTPツールが使えないこと
色々問題があるため、大訂正前提での下書きしかできない。
というか、それも実は結構面倒(爆)
例の怪談orホラー話、肝心の第13話、まだ思いつかないしorz
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自然数って何だろう?
整数って何?
任意の数って、どうして「n」なの?
そんな疑問が頭の中でぐるぐる回ります。
「ほ~ら、ちゃんと集中しないと!」
ぐるぐる回るあたしの頭をぐっと押さえつけて、机の上の参考書に無理矢理目を向かわせるのは、近所のお兄ちゃんで立花和也さんと言います。
「ちゃんと集中すれば分る筈なんだから。夏休み明けからは学校に通うんだろう?」
うん、お兄ちゃんはあたしの為に夏休みの間、うちに勉強を教えに来てくれているんだから……それは分っている、分っているんだよ……でもね……
(ぬしが阿呆なばかりに、和也殿も苦労が絶えぬことよの……ほれ、そこの値は「2n-1」じゃ、さっさと埋めぬか)
どうして、あたし、「鬼姫」にまで文句言われないといけないかな……
「あら、和也君、本当、ありがとう。おかげで助かるわ」
あたしが悶々としていると、部屋のドアが開き、お菓子と冷たいお茶を持ってママが入ってきました。
「いえ。俺に手伝えることってこれくらいですから……」とは和也兄ちゃん。
「で、どうなの?和也君」と熱を帯びた声で詰め寄るママ。「美咲、何とかなりそう?」
「何とか……という意味で言えば、ギリギリ……でも、俺だってプロの家庭教師とかじゃないし、課題のレポートの仕上げを手伝っているだけなんですけど……」
ママの熱心さに対して、和也兄ちゃんは困った様子です。
(一番困ったことなのは、ぬしの阿呆さなんじゃがな)
どさくさにまぎれて変なことを言わないでよ、鬼姫。
「まぁ、今回のお話、ありがたいお話なんだけど、美咲ってあたしの血を引いているから、あまり出来がいいとも思えないし……」
(それ見たことか、母上は、良く分っておられるわ!)
鬼姫、それはママにも失礼だとは思わない?
今回の話とママが言うのは、あたしの転入のことです。
お医者様はハッキリそうだとは言わなかったけれど、「奇跡」的に回復したあたしは、梅雨明けの時期に退院。いまは自宅療養ということになっています。
それでも先々の問題として、「通学」のことは考えなくてはいけないのですが、幸いにしてと言えばいいのでしょうか。パパが仕事上の知り合いの方から、隣町にある中高一貫校の私学へ転入する話を紹介されました。
あたしは、別に公立でも私立でもいいのですが、パパとママは、長く病気で休んでいたあたしには私学の方がいいのではないかと気を使ってくれています……お金がかかるのに……
ただ、「転入」の条件として、夏休み中に一般生徒の抱えている宿題にプラスして、学校側の用意した問題集を全て解いて提出すること。
その問題に対して、力を貸してくれたのが和也お兄ちゃんだったということです。
パパもママも「近所に勉強のできる子がいて良かった」と言っていますが、あたしはそれが和也お兄ちゃんだったことが嬉しいです。
(ふむ、小娘が舞い上がりおって……そんなことより、問題集とやらを1ページくらい進めぬか。和也殿に呆れられるだけであろうに)
鬼姫、小娘って、それ自分のことでもあるんだからね……
ところで、この「鬼姫」……早い話が、もうひとりの「あたし」です。
あの誰にも言えない秘密の夜、
あたしがケルビムさんという人に出会った夜、あたしの体には何か重大な変化があったようです。「鬼姫」はその変化の副産物として、あたしの心の中に生まれたもう一人のあたし。
あたしにはいまだに納得が行きませんが、そういうことらしいです。
鬼姫本人に言わせると……
そして、鬼姫のことはあの夜のこと以上に秘密です。
特にあの「高山」という人には……
あの夜のことがなかったら、あたしはいまこうして和也兄ちゃんに勉強を教えてもらえているのかどうか分らないことを考えると、鬼姫がいると言っても、今の方がずっといい。あたしにはそう思えます。
何より、パパもママも卓巳もいままでに比べると安心してくれているし。
ただ……
(阿呆めが、ぼんやりするでないわ。早く今日の課題を終わらせて、和也殿と母上を安心させよ。全く、汝が妾でなければ、取り殺しておるところだぞい)
口が悪いのと、物騒なことを口走るのと、言い方がいちいち時代めいていることが悩みの種です。
こんなのがもう一人の「あたし」だなんて、あたしは納得できません。
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