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十三号、本篇さわり(構想みたいなもの)

ひとつ前のエントリで、ニコニコだから・・・と書いたが、youtubeにもあったので貼っておこう♪

youtubeで見ても、プロの犯行だ(笑)

で、エントリ内容がこれだけだと寂しいのだが、例のさくら色旅団はまだ続きは書いていない・・・
そこで、「十三号」本篇第三部、下書き未満、言ってみれば、私のイメージ把握用の雑文を。
こうした雑文は、本篇そのもののスタート時に、いくつか書いていたのでした。
文字通り、ストーリーを脳内で進めるためのイメージ把握用です。
#####ここから#####
 折からの寒気は、粉雪を呼びよせたようだ。
 音もなくしんしんと降る雪は、地に溶けつつも徐々に周囲の温度を下げ、灰色のコンクリート製の塀を、公園のベンチを白く染めていく。
 ただ、サチが地に穿った穴は……。
 彼女の放った「アニヒレーターズシャウト」が穿った穴、ケルビムが放った三体の上級サイボーグ、三柱の神の名を頂いた改造兵士ごと、周囲の空間、素粒子レベルに至るまでのありとあらゆる物質と世界の情報そのものをえぐり取ったことによって生まれた穴を埋め尽くすには、いかに延々と雪が降り続けようともかなりの時間を要するだろう。
 空間が削り取られたことによって生じた気流の乱れ、質量変化によって発生した瞬間的な運動エネルギーは、神崎ゆかりの立つ公園の木々を激しく揺らし、彼女は目を一瞬ではあるが目を閉じることになってしまった。
 その瞬間の合間にも、目の前に立っていた緑川サチは、彼女に何か言いたげな、そして儚げな笑みを浮かべると、次の瞬間には彼女の前から姿を消していた。
 一人取り残された神崎ゆかりであるが、その背に同級生の一人、長谷川忠の声が掛けられた。
 「ゆかりちゃん。ここにいたんだ。さっき、もの凄い音がしていたから……。みんな港の方に避難しているよ。俺たちも早く……。」
 と言いかけた忠だったが、振り向いたゆかりの顔に絶句する。
 彼女の頬に涙が伝わっていたからだ。
 「ゆかりちゃん……。」
 再度名を呼ばれたゆかりは、ここでようやく自分の頬を伝う涙に、自分が泣いていることに気がつき、その目をごしごしとこする。
 「ゆかりちゃん……。」
 三度目の忠の呼びかけに、ゆかりは「違う!」と大声で答えた。
 驚き戸惑う忠であるが、その忠をゆかりは赤く腫らした目でにらみつけるようにして
 「あたしは泣いてなんかいない。」
 と再び大声で。
 「サチは……あのコは……本当は優しくて泣き虫なのに……多分、もう泣けないから……取り戻すまで、絶対に泣かないから……だから、あたしが代わりに泣いてあげているんだ。」
 「取り戻す?カズのこと?」
 問われたゆかりは、一旦頷き、次いで首を横に振った。
 「多分、カズだけのことじゃない……。でもね……知っている?長谷川君。サチね、あのコ、ちょっとクールで近づきがたいなんてこと言う人もいるけれど、本当は凄く感激屋で凄く天然で、凄く面白いコなんだよ。でも、あのコ……多分、もう帰ってこないんだ。」
 立ったまま、ただひたすらに涙を流すゆかりに、忠は何も言えない。
 しんしんと降り続ける雪は、徐々にではあるが、サチのアニヒレ-ターズシャウトが穿った穴、その世界の傷口を白く染めていく。しかし、その穴を埋めるにはまだかなりの時間を要することだろう。
#####ここまで#####

内容は、結構ヘヴィなものにどうしてもなりがち・・・
だからというわけではないが、さくら色旅団のような横道にそれたパラレルものとか番外編とかでもう少し遊ばせてくださいな。

閑話休題的お話

Memorial Apricot Pie終幕を前にしての寄り道。
悪い癖です(笑)
ある程度長丁場のお話を集中的にこなしていると、こういう小品を作りたくなるんですね。
いや、だから、悪い癖という自覚はあるわけで・・・・・・

タイトルは、まだ考えていません。
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 僕の名前はメレンゲ。
 豆腐屋さんの看板犬だったお母さんの子供で、いまは洋菓子屋さんに引き取られて、母さんと同じく看板犬を任せられている。
 と言っても、あまり店には出してもらえないんだけどね。
 僕のご主人は、「緑川サチ」って言うんだけど、そのご主人のお母さんという人は、本当は犬が苦手らしい。
 平和主義者の僕を捕まえて、「本当は怖い」だなんて言うんだよ。ひどい話だと思わないかい?
 だから、たまにわざと後ろから声をかけているんだ。
 ご主人のお母さんは、その度に飛び上がって喜んでくれるんだ。
 僕がお世話になっている洋菓子屋さん、グリーンリバーというんだけれど、このお店というか家には、ご主人とご主人のお母さん、そして清崎というオスの人間がいる。
 清崎という人間は、このお店のお菓子作りを一手に引き受けているらしいよ。
 ……えっと、清崎については、別に言うことはないかな……。
 だって、隙がないんだもん……。


 そして、もう一人、僕がこの家というかお店にお世話になってから後、もう一人人間が増えたんだ。
 マリって言う、僕の愛人さ。
 僕の後から入ってきた割には、態度が大きいのは引っかかるけど、まぁ愛人ということで大目に見てあげている。


 僕のご主人にして、正妻の緑川サチ。
 とてもきれいな人間で、僕は満足している。
 おまけにとっても力が強いんだ。
 僕が思いっきりリードを引っ張っても、びくともしないんだから。強いのは、なんでも子供の頃からで、ご主人は僕のお母さんの命の恩人らしい。
 基本的には、彼女はやさしいご主人で、ご飯と散歩は欠かさないし、僕はとても満足しているよ。
 ただ、とても強い人間だから、僕もいまのうちに体を鍛えておかないとね。発情期に間に合うように……。


 ご主人は以前は友達がいなかったらしいけれど、少なくとも僕が来てから見る限りでは、何人かの人間がご主人を訪ねてくる。
 その割合が一番多いのが、神崎ゆかり。
 明るい性格で、グリーンリバーの面々以外では一番信用している人間じゃないのかな?そして、僕の愛人二号だ。
 知り合ったのは、マリの方が後だけど、やっぱり彼女は現在僕と同居中だからね。
 でも、一番気が強いかもしれない。
 この間、足にしがみついたら、思いっきり頭を叩かれたよ。
 でも、「いやよ、いやよもいいの内」ってどこかの酔っぱらった人間が言っていたからね。諦めずにまたチャレンジしてみるよ。
 もう一人、最近になって、ご主人を訪ねてくるのが、小野坂ひずるという人間。
 彼女は、愛人三号……にしたかったけれども、いまは諦めている。
 神崎ゆかりにしたように、僕は彼女の足にしがみついたんだけれど、彼女は神崎ゆかりのように僕の頭をたたくようなことはしなかったんだけれど……。
 ものすごく冷たい目で見つめられたんだ。
 何というか、瞬間、僕が死を覚悟したほどの冷たさだった……。


 最後にもう一人。
 立花和也という人間がいる。
 こいつには、どうも僕のご主人にして正妻の緑川サチが好意を抱いているらしい。
 僕は、これでも寛大な雄犬だし、一時の気の迷いにも広い心で応じたいところだけれども、相手に対してはそうもいかない。
 でも、この人間の男、ほかの愛人たちと違って、滅多にこっちには来ないんだよな。逆に「学校」というご主人が通う場所では、毎日顔を合わせているらしい。僕も「学校」という場所に行くべきなんだろうな。
 まぁ、いい。奴とは近いうちに決着をつける積りだから……。
 発情期前には、ケリをつけるよ。


 あ、そうそう。僕の周りにいる人間以外のことにも触れないとね。
 近くの豆腐屋さんには、僕のお母さんがいる。散歩の時、いつも顔を合わせるんだけれど、相変わらず元気そうで僕は安心している。あと、散歩の途中、よく顔を合わせる相手に「アンコ」っていう黒猫がいる。うちの斜め向かいにある和菓子屋さんの飼い猫で、半分看板猫みたいなものだね。
 半分、なんて言い方をしたのは、いま和菓子屋さんは時々しか店を開けていないから。
 でも、たまに店を開ける時は、ご主人が必ずといっていいほど、準備の手伝いをしているよ。洋菓子屋が和菓子屋を手伝うのも変な話だけれど、ご主人は子供のころ、ここのご主人、つまりアンコのご主人によくお世話になっていたらしいんだ。ご主人は子供の頃、いまよりもずっと人見知りが激しかったらしいんだけれども、ここのご主人には懐いていたんだって。
 だから、僕としても和菓子屋さんとは友好的な関係をとっておきたいんだけれど、アンコのやつ、よく僕にちょっかいを出してくるんだよね。困ったものだよ、全く。


 僕の周囲は、そんな感じ。
 周りの人間も、立花和也を除いて、ご主人はじめいい人ばかりだし、いまの生活にはとても満足しているよ。でも、これもご主人がいてこそだよね。
 そんなご主人が、たまに夜、青いスーツを着て、外に出ることがあるんだ。
 思いつめた顔をしたご主人は、普段は僕相手にも見せない高いジャンプをしてどこかに飛んで行くんだけれども、その後ろ姿がとても悲しげに見えるんだ。
 いつか、僕にも分らないどこかに消えて行ってしまいそうで……。
 だから、そんな夜には僕はついつい遠吠えをしてしまうんだ。


 それでも、翌朝になると、ご主人は僕のご飯を用意してくれる。
 僕がご飯を食べている間に、ご主人は台所で自分たちの朝ごはんと「学校」とやらで食べるお弁当を作り、それが終わると、ご主人のお母さんとマリという僕の愛人を起こして回る。
 三人の食事が終ると、「学校」とやらに出かける前に軽いお散歩。
 このお散歩には、この頃、時々ではあるけれど、マリも付いてくるようになったんだ。


 散歩をしながら、僕はいつも思うんだ。
 こういう朝がいつまでも続きますように、って。
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6/28のつづき

以前のエントリの続き。

私はどうも本筋とは関係ないところで、文章容量を増やしてしまう癖があるな(笑
ある意味、どうでもいいことにエネルギーを費やすというか・・・いや、こういう地味な部分が好きなだけなんですが(爆)

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 店舗兼住宅である彼女の住まい、「グリーンリバー」。
 緑川サチは、そこまで辿り着くと、そのまま店に入ることはせず、隣の店との隙間のような路地から裏手に回り込む。
 店舗の出入り口は確かに正面ではあるが、住居部分の出入り口は裏手にあるのだ。そこは同時に従業員専用の出入り口なのだ。ただ、従業員とは言っても、奥の厨房で働く職人一人きりしかいない従業員ではあるが。
 正面の真新しいガラス製の扉とは対照的に古ぼけた木製のドアをくぐった彼女は、開口一番
 「岡部さん、頼まれたパン、買ってきたよ。」
 保護者の名前を呼ぶ。
 「ああ、サチ、ご苦労さん。テーブルの上に置いていてちょうだい。あんた、先に食べな。」
 住居部分から見れば裏手、店の方から壮年の女性の声が返ってきた。
 「わかった。」
 サチはそう返事をすると、パンを手に取ろうとしたが、ふとその手を止め、先ほど神社の境内で拾った円盤を抱えたまま、小走りに階段を上り自分の部屋へ。そして、部屋にある自分専用の机の上に、その円盤を置くとまた階下へ。冷蔵庫から牛乳を取り出すと、自分が買ってきたパン屋の袋から、お気に入りの「焼きそばパン」を取り出し、少し早めの昼食を取り始めた。
 「おいしい……。」
 とてもそう思っているとは思えない淡々とした表情と口調でそう口にすると、あっという間に手にした焼きそばパンを食べ終わり、その小さな手は再びパン屋の袋にと伸びる。
 手にしたのはまたしても焼きそばパン。
 その二つめの焼きそばパンもあっという間に食べ終わり、その手は三つ目の焼きそばパンに。
 結局、計五つのパン、それも焼きそばパンばかりを立て続けにその小さな体に納めた彼女は、今更ながらに牛乳を飲み干すと、店舗と住居との仕切りにもなっている開き戸を開け、彼女の保護者にして同居人である岡部さんと入れ替わりにレジに立った。
 店の中には、客が四,五人というところか。
 彼女の服装とその小さな体は、いやでも大人達の関心を引くのだろう。
 店の中にいた客の視線は一斉にこの入れ替わりに現れた小さな店員に集中し、ガラス張りの店の外でも、通りを歩く人が彼女の姿を目にとめるなり立ち止まる。
 神社の境内で見せた彼女の身体能力は、感覚器官にも及ぶ。だから、そうした人々の小声での囁きですらその耳には届く為、彼女は店の中ではかなり緊張していた。
 やがて、カランと自動扉につけられたベルの音が響き、通りからまた新しい客が店の中に入ってきた。
 「い、いらっしゃいませ……。」
 今度はさすがに緊張しているのが傍目にも分る固い表情で、その客に対し彼女はお辞儀する。
 晴れた日の日曜日、洋菓子店グリーンリバーは、今日もお客で賑わっていた。
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自分にプレッシャーをかける意味でも、部分公開(笑
いつ完成するかは、自分でも分らない。
どういう話になるかも手探り・・・基本的には「ご近所SF」の世界のお話

・・・・・・さて、本筋(13 plus ZERO)の方も、進めないとな。
あちらは、一気にアクション路線モード突入だが・・・・・・

第四(?)の13号

拙作の13号世界は、展開予定までを含めると・・・

1,本編(Girl,called 13
2,パラレルその1(がぁる,maybe 13
3,パラレルその2にしてパラれルその1の完結編という解釈(Memorial Apricot Pie)

例の昭和ライダークロスオーバーは、まだ下書きにもかかっていないので、現時点では除外。

そして、実はもうひとつ

4,パラレルその3(「ご近所SF」世界)

実は本編よりもご近所SFでの登場の方が先なのだ。で、いまご近所SF世界で何か作れないかと、こちらも思案中にして試作中。
・・・私は手を広げすぎだろう(笑)
試作品の始まりは、こんな感じ
######################################
 神社のご神木の枝にそれは引っかかっていた。
 決して大きくはないその体を精一杯伸ばしながら、彼女はそれを注視する。
 頭には白いフリルのついたカチューシャ、長く伸びた艶やかな黒い髪とその小さな体をこれまた黒いドレスで覆い、そのドレスの上からはこれまた白いフリル付きのエプロンをしている。
 まるで、何かの芝居に出てくる衣装のような装いであるが、これは別に彼女がそうした嗜好の持ち主だからと言うわけではなく、そうした嗜好に合わせたということでもない。彼女の家は、商売をやっていて、彼女はその仕事を手伝う時にいま着ている服装をしているというだけ。言ってみれば、制服である。
 ちなみに彼女の家の商売は、地元では多少は名の知れた洋菓子店。店の名は「グリーンリバー」。
 彼女自身の名は、緑川サチ。
 今年十一歳、小学五年生……ということになっていた。


 その緑川サチが見上げる神社のご神木にひっかかっているそれは、グレーがかかった色の円盤だった。大きさとしては、直径十五センチに届くかどうかというところか。
 彼女は、その円盤が引っかかっている高さをじっと見極め、一言ボソリと「軽い」と呟いた。
 それから、彼女は周囲を見回し、余人の存在がないことを確認すると、手に提げたパン屋の袋を手の届く高さの別の木の枝に引っかけ、ぺこりとご神木に向かって頭を下げた。
 「もしかしたら、枝を傷つけるかもしれません。だから最初に謝っておきます。ごめんなさい。」
 小声でそう言うと、二,三歩下がる。そうしてから、再度助走をつけながら、ご神木に向かって一気にジャンプ。
 すると、彼女の体はあっという間に五メートル以上の高さまで。そして、目標の円盤まで届くと、空中でそれを掴みながらもさらに上昇、十メートルほどの高さにまで達するとくるりと空中で反転し下降。今度は頭から地上に落下するかと思うと、ほぼ墜落直前に再び空中で回転。ほとんど音もなく、綺麗に着地して見せた。着地の瞬間、ドレスとエプロンの裾、そしてその長い黒髪が揺れただけで、息の乱れなどもみじんも見せない。
 到底人間業とは思えないジャンプ力とボディバランスだった。
 その人間離れした身体能力を発揮した彼女は、円盤を抱えたまま何事もなかったかのように先ほど別の木の枝に引っかけたパン屋の袋を再び手に取ると、またご神木に向かってぺこりと一礼。
 そして、パン屋の袋をぶら下げ、円盤を小脇に抱えたまま、境内を後にした。
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あくまでも、ご近所SF世界の雰囲気を壊さずに展開するお話が作れればなと、本編、杏のパイと同時進行でお悩み中です。

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