プリキュアじゃんけんというのは、間違った呼称だったオニorz
ちょっと、キュアピースサンダーを喰らってくる……
というわけで、「竜宮ホテル 迷い猫」(村山早紀)読了。
村山早紀、三冊目。
とりあえず、これで一息おくことにする(笑)
そして、表紙が可愛い。
・・・とは言っても、ライトノベルには非ず。
本篇の中でも「挿絵」はありません。
主人公の水守響呼は、高校生でデビューを果たした二十代の作家。
彼女は、その左目で異界の者(幽霊、妖怪、その他)を見ることが出来るが、ある日を迎えるまではその力を自ら封じてきた。
その「ある日」
住んでいたアパートは崩落(!)し、住む場所を失ったある日……
彼女は、行き倒れの猫耳少女(!)であるひなぎくとかつてはホテル、現下宿屋である「竜宮ホテル」のオーナーの息子にして、出版社の編集者である錦織寅彦と出会う。
話の流れのままに、響呼とひなぎくは竜宮ホテルにて暮すことに。
さて、いままで「異界」を避けてきた響呼さん。
このことを機会に、異界に接しまくり。
何しろ、表現で分るとおり、ひなぎく自体妖怪なわけですし、その後は
幽霊、魔法使い、あげくに未来人。
彼女を竜宮ホテルに誘った寅彦にしても、真偽は最後まで明確ではありませんでしたが、どうも母親が雪女らしいし……
でも、ひなぎくの来訪とともに訪れたある意味賑やかな日常の変化は、彼女に懐かしい再会と失ってしまった時間を取り戻させる。
これ、ジャンル的には
童話であり、児童小説であり、ファンタジーであり……といったところか。
響呼の抱える問題の全てが解決するわけではないという話の落としどころもちょうどいいと思った。
そして、幸せと不幸せの境界線の曖昧さというものも、隠れたスパイスでありましたよ。
読みやすさ、分りやすさの陰に隠れた文字通りの隠し味なんですけどね。
それにしても……悪い奴が全く出てこない。
同じ「異界」を見る者を主人公にしているとは言っても、その辺り、「夏目友人帳」よりも地味と言えば地味。小説と漫画を比べるものでもないが。