さて、少し前のエントリで触れた
「高杉さん家のおべんとう」(柳原望)
が面白すぎる。
いわゆる食べ物系のコミックでは頭一つ抜けた面白さだ。
私的に・・・
31歳にしてオーバードクター。
博士号をもっているものの、いまだ助教授の職にも就けず、企業にも就職できない言ってみれば限りなくフリーターに近い立場。
その主人公高杉温己(ハルミ)の元に、東京の弁護士から連絡が入る。
音信不通だった叔母(といっても主人公ハルとは7歳違い)が亡くなり、その一人娘の法定後見人(早い話が保護者)としてハルが指名されていると。
そして、その一人娘が12歳の美少女久留里(くるり)。
とここまで書けば、大体ストーリーの方向性は見当つくでしょう(笑)
他人家族ものというか
状況巻き込まれ型というか
31歳独身オーバードクターという主人公設定から12歳の思春期少女(中学進学目前)というものを見れば
異邦人同居型(ドラえもんとかおばQとかのアレ)
という見方も出来ないでもない。
さあ、この設定から「結局、”萌え”ものかい?」と思った人
お前の罪を数えろ!
し、失礼しました。
ただ、他人同士が”家族”として暮らそうとした場合、いかにしてお互いに歩み寄り理解していくか?
それがこの種のストーリーのだいご味なのですが、その道具立てとして「お弁当」を使うというアイディアが秀逸。
このコミックのキャッチコピー
・離れていても同じものを食べている
・さめてもあったかい
・ほんの少しだけ未来を作っている
うん、これは確かに”家族だ”。
お弁当で家族を語ると言えば、現実にこういう方もいらっしゃるのですね。
もっと弁当力 佐藤剛史さん
九州大学の助教授か・・・くしくもであるが「高杉さん家のー」の主人公ハルと同じだな(コミックス一巻末で無事助教授になる)
ちなみに佐藤さんは農学部 ハルは・・・学部的にはどうなるのだろう?研究分野は地理学だが。社会学部か?名古屋大学(状況証拠的にハルの在籍しているのはココと思われる)に社会学部はあったかいな?
このお話、お弁当の話だけでなく、「地理学」のお話も出てきます。
コミックですから、さわり的な部分にしか触れていませんが、経済地理学の授業を思い出しましたよ。で、ついでにとっつきやすそうな入門書を尼でポチッとしておいた(ミーハー)十三号・・・では間に合わないだろうが、そのうち何か小ネタで地理学或いは経済地理学(家のどこかにテキストが残っていたはず)を使うかもしれん(爆)
しかし、そんなことよりもくるりですよ。
くるり可愛いよくるり・・・
い、いかん!これでは”萌え”マンガ扱いではないか・・・どうやら、絶望が俺のゴールだったらしい。
あくまでも、ほのぼの系コミックだからな。
普通(という言い方は好きじゃないな)の家族構成の奴は、登場人物中一人もいないが・・・その部分においてのみは、この作者、わざとだろうというくらい、みんなクセが強い。他の部分では割とほのぼのしているのに。
久々に自分的にツボに嵌ったマンガだったが、一点のみ問題が・・・
それは掲載誌が「フラッパー」であることだ。
ちなみに私は店頭で「フラッパー」を見たことが一度もない(爆)
どこかで見た情報だったのだが、月の流通量が二千部だか五千部だったか・・・大手の同人誌より流通量が少ないんじゃないか?コミックスも、たまたま見かけはしたものの、地方によってはコミックスすら置いていないらしい・・・
購入した書店、滅多に行かないところなんだよなぁ。今回は、仕事で使う参考書購入のついでに買ったようなものだったし・・・そういう専門書関係か百貨店内なので別の買い物の時くらいしか寄ることがない。
それはともかくとして
くるり可愛いよくるり
ということですよ。
大事なことなので、タイトル含めて三回言いました。
(追記)大事なことで思い出したが(笑)お弁当ものとして、いわゆるかなり実用的なお弁当レシピ情報も、このコミックの中では扱われています。作者様、もともと少女漫画+レディースコミック出身なので、このあたり抜かりない。